今日のテーマは「側弯症」です。側弯症の定義や原因、治療法、体操の方法などについて取り上げたいと思います。

側弯症を知るときに欠かせないのは「脊椎(せきつい)=背骨のこと」についてです。脊椎は・・・

・7個の頚椎(けいつい:首の部分の背骨)
・12個の胸椎(きょうつい:胸の部分の背骨)
・5個の腰椎(ようつい:腰の部分の背骨)
に分けられます。

正常な脊椎は前から見ると直線状ですが、横から見ると

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脊椎(せきつい)

・頚椎は前に
・胸椎は後ろに
・腰椎は前に
それぞれカーブしていることが分かります。

側弯症とは?

正面から見た時に左右に曲がっている状態(=側弯)、さらにねじれ(=回旋)が伴う状態です。

「側弯症」と診断されるのは、前方から見て脊椎で10度以上曲がる病態を認めた場合です。

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側湾症の原因は様々ありますが、多くはその原因が明らかでない「特発性(とっぱつせい)側弯症」といわれるものです。

特発性側弯症の発生頻度は、
・装具をつけての治療が必要となる20~30度以上の側弯症は0.3~0.5%(1000人に3-5人)です。
・手術が必要な可能性が出てくる40度以上の側弯は0.1%以下です。

上記ほど角度がない軽度の側弯症(10~25度)の場合、自覚症状も乏しく変形も目立たないので、気付かないことが多いのですが、肩甲骨や首の極度のこりの原因が、この「側弯症」である場合は、当院の施術現場でもよく見受けられます

側弯症チェック

側弯症、もしくはそれに近い歪みがないかのチェックは、誰かに後ろ姿を観察してもらって確認しましょう。

1.左右の肩の高さは同じですか?
2.左右どちらかの肩甲骨が、他方より飛び出ていませんか?
3.両腕をだらんとたらしたとき、左右どちらかの腕が一方より極端に長くありませんか?

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4.背中が床と平行になるよう、前かがみになります。背中の左右どちらかにふくらみがないか?

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5.腰のくびれは左右対称ですか?
6.骨盤の傾きは平行になっていますか?

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上記の徴候が複数見つかっても、すぐに側弯症だとは断言できません。側弯症かどうかの確認はもちろん、側弯症を治療するにあたってもレントゲン写真を撮ったり、詳しく状況を検査することが大切です。

特に側弯症の多くは、成長期の子供に発症します。側弯のカーブが「進行性」の場合もありますので、もしその気配がみられたら脊椎の分野で特別の訓練を受けた整形外科医にかかり、診察やレントゲン写真によって確認するようにしましょう。

側弯症の原因はなにか?

側弯症は

①機能性(きのうせい)側弯症
②構築性(こうちくせい)側弯症
の二つに分類されます。

①機能性側弯症

「背骨自体に原因がない」側弯症です。背骨以外の原因を除去することにより軽減できる側弯症をさします。例えば
・習慣的に姿勢がよくない
・腰椎椎間板ヘルニアなどの痛みをかばってからだがねじれる
・骨盤の傾き(脚の左右の長さの差や股関節の疾患など)
によるものが含まれます。

②構築性側弯症

背骨自体に異常があり、姿勢を変えても矯正できない側弯症をさします。このうち8~9割は原因が不明な特発性側弯症です。

その他、構築性側弯症には以下のような原因があります。

A:先天性側弯症
B:脳性小児マヒによる側弯症
C:神経疾患の合併症による側弯症
D:外傷性側弯症
E:その他の原因による側弯症
F:脊椎側弯症

乳児期側弯症→非常に少ない。だいたい3歳になる前に発症。男子に多い。治療せずに、自然に治るケースがよく見られる。
学童期側弯症 →3~10歳で発症。約60%は治療しないと進行してしまう。
思春期側弯症 →脊椎側弯症のうち、最も多いもの。思春期に発症し、圧倒的に女子に多い。右胸椎カーブがよく見られる。
成人期側弯症 →約86%は、思春期から側弯症だったが、大人になるまで気付かなかったもの。

側弯症の治療

治療法は主に、歪みの度合いと年令に応じて選択されます。

①経過観察のみ(とくに治療はしない)

子供と成人のほとんど(約95%)の側弯は、生涯にわたって低い角度のままであり、進行していないかどうか専門医にチェックしてもらうだけで済みます。

治療をしなかった患者さんを調査した研究によると、思春期を過ぎている軽度の側弯症患者の多くは、何も治療をしなくても、カーブは進行しない結果があります。

軽度の側弯症の中には、全く治療をしなくとも、自然と角度が低くなる場合も珍しくありません。

成人の側弯症患者のほとんどは、思春期から側弯症だった人です。中~軽度の人は3~5年に1回くらい、重度(50度~)の人は年に1~2回くらいのペースで定期検査を受けたほうがよいと言われています。

・定期的な運動
・理想的な体重の維持
・喫煙を避ける
・座っていることの多い生活スタイルを見直す

ことによって症状が進行することを防ぐことができるとされています。

②装具療法

装具の装着は、進行を防ぐ上で効果があることが証明されています。

皮膚、筋肉、肋骨に不均等な圧力をかけ、脊椎を少しまっすぐな位置へ押しやることにより、装具はカーブを緩やかにします。

一般に装具は1日23時間着け、スポーツや水泳などのときにははずします。成長のペースが落ち、骨の成長が終わると、少しずつ装具を着ける時間を減らし、治療は終了します。

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装具療法が適しているとされるのは、以下のいずれかに該当する場合です。

・0~30度の進行性のカーブ
・30~50度のカーブ

一般に20度以下のカーブは治療の必要はありません。40度~45度を超えたカーブは、装具療法に対する体の反応が悪くなるので、手術で治療します。

③手術

手術の目的は

・脊柱を強固に安定させる
・側弯のカーブを部分的に矯正する(カーブを緩やかにする)

の2点が挙げられます。

以下に当てはまる場合は手術を勧められます。

・装具をつけているにもかかわらず、カーブが急速に進行してしまった場合
・10代、または10歳未満の子供→カーブが40度以上
・成人→手術を選択する理由はそれほど明確ではありませんが、痛みなどの不快感の増大、カーブの進行など

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※手術によって変形、不快感、痛みが軽減される場合がありますが、必ず保証されるわけではありません。

側弯症のケア体操

側弯症予防・ケアには、
・脊柱支持筋(腹筋・背筋)の筋力強化
・体幹の柔軟性を保つ
・背骨の可動性を広げる
ことが大切です。

①背骨を柔軟にする体操

A.脊柱の曲がり部(凸側)に手をあて、押さえながら、その方向にゆっくりと10回曲げます。

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B.両膝を伸ばし、足首を立てて図のように座り、上半身を前に倒し両手が足指にとどくようにする。(胸を膝につけるように)

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息をとめずまた反動をつけずに足指にふれた状態で10秒間止めます。10回くり返します。

《point!!》
・動作はゆっくりと。
・両手が足指にとどかない場合は、膝を曲げてもOK。

②腹筋を強くする体操

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仰向けになり両膝をほぼ直角に曲げて、両手をあごにつけた姿勢からゆっくり上半身を図の位置(45°ぐらい)までおこして10秒間止めます。

ゆっくりもとにもどします。10回くり返しましょう。

《point!!》
・息はとめないように。
・起き上がりができないときは、足首を押さえてもらうか、固定します。
・両手は胸の前で組んでもOK。

③背筋を強くする体操

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うつぶせに寝た状態から、両手、両足を同時に上げ上体を反らします。あまり高く上げないようにし、動作はゆっくりと行いましょう。 10~15秒止め、10回行います。

《point!!》
・顔は上げないように!腰を痛める原因になります。

④ペルビィック ヒッチ(骨盤の引き上げ)

自然に座ります。

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左のおしり側を椅子から離して上げます。

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上体に力を入れたまま、ゆっくりと左のおしりを椅子に接着させ、骨盤の線を水平にします。30秒保つことを目標に行います。

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《point!!》
・この体操は全身が映る鏡の前で始めましょう。
・両肩の高さはできるだけ水平に保ってください。

当院で行う側弯症ケアの整体施術について

当院では、側弯症ケアの方の施術にいては、肩甲骨まわりや背筋をゆるめることを目的に、

・胸筋や鎖骨周りをゆるめる
・仰向けや横向きの体勢にてわきの下から体側の筋肉をよく伸ばす
・うつ伏せで、肩関節の付け根をゆるめる

という内容をおこないます。

背中と胸は表裏一体です。両側が緩むことで、背中の可動域が広くなり、呼吸もとても楽になります。

また、当院が得意とする「骨盤調整」をおこないながら、

・左右の脚の長さを整える
・股関節の可動域を広げる

ことで、背中が自然にゆるむケースも少なくありません。

背中の歪みが気になる方、側弯症チェックを兼ねて、一度おからだの調整をしてみませんか?