こんにちは。院長の小澤です。

8月に入り、当院のちょっとしたブームは「からだを引き締めたい」!

薄着に切羽詰まった感は否めませんが、せっかくのいい機会。

スタッフ内で週1回「ダイナミック ストレッチ研究会」を行うことになりました。

<ダイナミックストレッチ>

 からだを動かしながら筋肉を伸ばしていく方法を「ダイナミックストレッチ」といいます。ラジオ体操も、ダイナミックストレッチの一つです。

 からだを動かしながら行うため心拍数が上がり、カラダが温まって筋肉が伸びやすくなります。

 

その様子と成果を、施術内でもこの場でもきちんとご報告できるようがんばるとして、

今月は「からだを引き締める」をテーマに、様々な観点でからだと向き合うことを

お伝えしたいと思います。

今回は「呼吸」について。

「腹式呼吸」「胸式呼吸」など呼吸法も様々ありますが、

「全身で呼吸をする」アレクサンダー・テクニークの観点をご紹介します。

何気なくしている「呼吸」を、全身フル稼働で行うことで代謝がグッと上がります。

カラオケなどで上手に息が吸えなくて、声が細くなってしまう・・・

そんなお悩みにもお応えできる呼吸法です。

 

 

呼吸は全身でおこなう

アレクサンダー・テクニーク(※詳細説明は文末にて)では、呼吸は全身運動だと捉えています。

わたしたちは呼吸方法というと「腹式呼吸」「胸式呼吸」が先ず連想され、

息を出し入れする場所を「腹」や「胸」の狭い範囲に限ってしまっている傾向にあります。

息はこんなにたくさん体中に収納できるんだ!

 

ということが分かると、かなり多くの息を吸い込むことができます。

そして、体中をしぼませるように目一杯吐くことができると、

ダイナミックな動きで自然にからだの力が抜けていき、代謝が上がります。

以下、目からウロコの全身呼吸、是非ご覧下さい。

 

呼吸で使っている部位① 肺

息を吸って先ず最初に入るのは「肺」です。

 

上は鎖骨付近まで、下はみぞおち付近まで広がっています。

かなり広い範囲で息が入ります。また横から見てみると、

腕よりもさらに奥、背中側まで奥行きがあり、
脇の下から肋骨付近までが部動いて、肺に息が入るのです。

ここまでが息が入るエリアです。かなり上部が動いて息が入ります。

「腹」を意識しすぎるとこの動きを邪魔してしまい、

息が吸いにくく、吐くときも緊張を伴ってしまいます。

「お腹に息を入れよう」と意識するのを一旦やめてみて

いま確認したエリアに「息が入るんだな」と意識するようにしてみてください。

そうすることで、呼吸がたっぷりできるようになります。

声の質が明るくなること、音が楽に出せることを試してみましょう。

 

呼吸で使っている部位② 横隔膜

横隔膜もかなり上にあります。

肋骨のふちに沿っています
高いところでは、みぞおちより上にあります
ドームの天井のような形をしています

横隔膜は、みぞおちより上でも動いているのですね。

次に、呼吸する時に横隔膜はどのような動きをしているかを確認します。

・息を吸うとき
→ 横隔膜が収縮して、ドームの天井が少し浅くなって下りてきます

・息を吐くとき
→ 横隔膜が緩んで、高い天井のように上方向へ戻っていきます。

 

息を吐くとき、横隔膜は上へ移動するのです。不思議な動きですね。

息を吐くときは、是非、息の流れを上方向へイメージしましょう。

「息を口の天井の硬いエリアへ流し続ける」とイメージすると、

息のスピードが上がって声も出しやすくなります。

また、仰向けになって呼吸をしてみると、横隔膜の動きをさらに確認しやすくなります。

みぞおち付近に厚い本など重たいものを乗せて呼吸をしてみます。

乗せたものがを天井方向に動かす/保つ力=お腹が膨らむ力=横隔膜の力です。

腹筋の力ではありません。腹筋に力を入れずぎると、呼吸がしにくくなります。



 

呼吸で使っている部位③ 首と腕

息を吸うために働く筋肉は首の奥にもあります。【斜角筋】

斜角筋は、肋骨を上からギュッと引き上げてくれるのです。

また、腕の土台である肩甲骨。

その肩甲骨と肋骨をつなげる筋肉【前鋸筋(ぜんきょきん)】も、

肋骨を引き上げて息を吸うことを手伝ってくれています。

 

 

呼吸で使っている部位④ 腰と脚

先程お話しした横隔膜の下端が背骨に付いていて、

 

腰と脚を結んでいる【腸腰筋(ちょうようきん)】の上端が、横隔膜の下端と重なります。

 

腸腰筋

 

【腸腰筋】は脚を動かすいちばんの大黒柱であり、腰を安定させる土台でもあります。

肋骨突起から脚の上部までつながっているこの筋肉をしっかり安定させることで、

呼吸がしやすくなります。脚も呼吸に深く関係していることを意識しましょう。

 

呼吸で使っている部位⑤ 腹

腹の筋肉は、もっぱら「息を吐く」ために働きます。

その「腹」も思っているより遥かに広い範囲に及んでいます。

腹直筋

まず思い浮かべる「腹」は正面がメインでしょう。【腹直筋】

肋骨から、恥骨まで及び、長い筋肉なのとても長い筋肉です。

腹斜筋

次に、脇腹です。ここにも息を吐くことに使われる筋肉があります。【腹斜筋】

前から後ろにかけて、ぐるっと取り囲んでいます。

また、この筋肉は3層になっていて、からだの奥からがっちりと支えています。

 

呼吸で使っている部位⑥ 骨盤の底

腹を下から支えている筋肉です。【骨盤底筋】

息を吐くうえで非常に大切な役割を果たしています。

腹で止めずに、この骨盤底筋まで息が深く入るイメージを持ちましょう。

この部位は、横隔膜と真逆の動きをします。

・息を吸うとき
→ 筋肉は緩み、骨盤の中へ下りてきます

・息を吐くとき
→ 筋肉が張って、内蔵を上に押し上げます

 

大きく吸うと腹は膨らんで、骨盤の底部分はグッと引き下がりますから、

より息がたくさん入りますね。

肺も膨らみますから、背中も大きく動きます。

横隔膜は引き上がり、胸周りも前へ突き出ます。

「腹」「胸」などパーツを意識するよりも、

全身が動くことを体感できると、ダイナミックで楽な呼吸になります。

代謝を上げることはもちろん、声も良く出ますし、パニック障害の発作防止にも一役買います。

息は「自らの心」。

全身でする呼吸は心身を整えるのに、とても効果的です!

 

 

アレクサンダー・テクニークとは

アレクサンダー・テクニーク(Alexander Technique)とは、頭ー首ー背中のバランス関係に注目して、

・背中や腰の痛みの原因を改善

・事故後のリハビリテーション

・呼吸法の改善、楽器演奏法

・発声法や演技を妨げる癖の改善

などに用いられる心身技法です。

アレクサンダー・テクニークの創始者、フレデリック マサイアス アレクサンダーは

役者として華々しいキャリアを積んでいる絶頂に、

舞台上で声が出なくなる不調に襲われるようになります。

役者として致命的な不調でしたが、医者もその原因を解明できずに治療できない日々。

アレクサンダーは何とか原因をつきとめるべく、三面鏡の前で自分の発話の瞬間を観察していきます。

そこで彼は、声を出そうと思った瞬間に、その「声を出そう」という意欲によって意識せずに
首の後ろを縮め緊張させていたことを発見します。
頭が重たくのしかかり声帯を圧迫していたのです。
逆に、首が楽で頭部を軽く脊椎の上でバランスを保っていれば声が簡単に出ることにも気付きます。

アレクサンダーは自力で問題を解決した上で、

その方法を同じように悩む人たちにも幅広く教えました。

その過程で、発声だけでなく、呼吸など他の心身活動に役立つことをたくさん伝えていきます。

自身が悩んだ経験から、彼は「ブリージングマン(呼吸の人)」と呼ばれていたそうです。

息が浅い、舞台に立つと過呼吸になるといった呼吸に問題を抱えていた人が、

レクサンダーのレッスンを受けると、呼吸が楽に自然にできるようになる。

しかし、アレクサンダーは直接呼吸法を指導したり、正しい呼吸のやり方について

話していたわけではなかったとのこと。

生徒はからだの使い方を学び、全身をバランスよく使えるようになることで、
自然に呼吸も楽になっていったそうです。

からだがどのように動き、どのように感じるかについての気付きを大切にするこの心身技法は、

自分と向き合うことにもつながります。

わたくしがアレクサンダー・テクニークと出会ったのは12年前。

心身一体で改善していくことを施術現場で何となく掴み始めていた時期に、

アレクサンダーの考察や導き方を知れたことは、確信やワクワクする気持ちに繋がりました。

現在も施術ではもちろん、自身のケアや楽器演奏の練習に日々活用しています。