青葉が目に眩しい5月。

日照時間が延びたり木々が芽吹くなど、自然界では「陽気」真っ盛りです。人も自然界の一部と捉えるので、同様に「陽気」が増えます。

気血が体表に集まり新陳代謝も盛んになり、細胞が活性化しますが、その一方で「季節外れのインフルエンザにかかってしまった」「カゼがなかなか良くならない」というお悩みも。

今回は、春特有のカゼによるトラブルの原因や、春のからだを養生する薬膳料理をご紹介します。

春特有のカゼの原因は「風」なんです

時には嵐のような、風が強く吹く日が多いのも春ならでは。

春の風は「寒邪(かんじゃ)」と「熱邪(ねつじゃ)」を運びます。

※寒邪(かんじゃ)とは?=漢方医学における外部からの疾病の原因である六淫(りくいん)の一つで体が冷えている状態を指す。この症状は暖めると軽減する。

※熱邪(ねつじゃ)とは?=漢方医学における六淫(りくいん、外部からの疾病の原因)の一つで熱による障害を火邪(かじゃ)あるいは熱邪(ねつじゃ)という。高熱、悪熱、発汗、口渇などの症状が発症し、体の上部では頭痛や目や歯茎が腫れ、出血や化膿の症状も現れる。より深部に侵入すると、心煩(しんぱん、胸苦しい状態)や不眠などの精神症状も示すようになる。)を運ぶ。

寒邪と熱邪は体力が落ちていたり、正気(せいき:からだの防衛本能)が弱っている人のからだに「風邪(ふうじゃ)」として侵入するのです。

※風邪(ふうじゃ)とは?=漢方医学における六淫と呼ばれる病気の原因のうちの一つで、体内を縦横無尽に走り回る性質を持っている邪気のこと)として侵入します。

「カゼを引く」の「風邪」とは「ふうじゃ(風邪)」からきているのです。

体調を悪くする環境や外的刺激の中でも、特に自然界に吹く風がからだに与える悪影響を与える、というのが語源です。

体に風が当たり続ける

徐々にからだの表面のの熱を奪う

皮膚や粘膜が乾燥皮膚や粘膜が乾燥

体内にウイルスや細菌が侵入しやすくなる

免疫力が下がってしまい、容易に細菌やウイルスの侵入を許すようになる

カゼを引く

というプロセスです。春のカゼは「風」が大きく影響しているのです!

また春の風は下から上に向かって吹くと言われており、春のカゼによる症状は主にからだの上半身に現れることが特徴です。

  • 頭痛
  • くしゃみ
  • のぼせ・鼻に症状が出る風邪
  • 花粉症(目のかゆみやくしゃみ、鼻水など)
  • インフルエンザなどの外邪(がいじゃ:気候や環境などからだの外側から悪影響を与える病気の原因)

風の邪気はよく動くという特徴があるため、春特有のカゼは症状がコロコロと変わりやすく、梅雨や夏と違って胃腸のトラブルは出にくいとされています。

5月~6月が旬の新タマネギを使った薬膳レシピをご紹介

※参考文献『作りおき薬膳』

「薬膳」と聞くとてもハードルが高いイメージがありますが、季節や体質・体調を考慮して、ふだんからの食材の特性や組み合わせを考えながら作る料理こそ、立派な「薬膳」料理です。

旬の野菜は手に入りやすく、お値段もお手頃。

5月から6月が旬の新タマネギは「辛味・温性」、血行を良くしてからだを温めてくれる食材です。

春特有のカゼ=「風邪(ふうじゃ)」対策に、鉄分の多い牛肉を一緒に摂って、からだの抵抗力を高めましょう!

【新タマネギと牛肉の煮物】

~辛みが少なくみずみずしい新タマネギは、火を通しすぎないのがおすすめです~

材料

・新タマネギ 小2個(300グラム)
・牛赤身切り落とし肉 200グラム
・しめじ 200グラム
・ショウガ(千切り) 2かけ分

[A]
・しょうゆ 大さじ3
・酒 大さじ3
・砂糖 大さじ2.5
・赤とうがらし 1~2本

作り方

1.タマネギは縦半分にして、横に1センチ幅に切る。しめじは食べやすい大きさにほぐす。

2.鍋に[A]を入れ、強めの中火で温め、牛肉を入れてほぐし、火が通ったら取り出す。
3.2の鍋に水100ccを加える。煮立ったら1.とショウガを入れてふたをし、3分ほど煮る。

4.上下を返してかるく煮たら、牛肉を戻してひと煮する。

※温泉卵添えたり、溶き卵でとじてご飯にのせてもおいしいです。

先日作った際には、ショウガを多めに入れたらとてもいいアクセントになりました。

ショウガは発汗作用があり邪気を発散する食材です。おいしい食事で春のからだを養生したいですね。