患者さんのプロフィール

22歳男性(自由業)。ダンスパフォーマンスやボーカル活動の他、作詞・作曲を手がける。

動いている時とデスクワーク作業、その時々でからだの使い方が全く異なり、体調管理が難しいと感じている。顔がとてもむくみやすい。顎関節症を患っている。

来院のきっかけ、理由

自転車交通事故

1.左背中痛

1ヶ月前に交通事故(※自転車にて走行中、横側(左右どちらかは覚えていない)からバイクに追突され、身体が飛んで落下。どこを打ったのかは定かではない。)に遭って以来、疲労が溜まると感覚が鈍くなり、ボワーンと温かくなる感じがする。

2.右首付け根のつまった感じ

1.同様、1ヶ月前に交通事故に遭って以来の症状。元来よく自分で首をバキッとよく鳴らしていたが、今は固まりすぎて怖くて鳴らせず。

3.背中下部から腰のはり感

1.同様、1ヶ月前に交通事故に遭って以来の症状。痛みはないが、腰が伸びない感じが気になる。

4.右股関節の付け根痛

3.の症状がひどくなってくると、ズキッとした痛みが出る。

当院の見立て

「1.左背中痛」と「2.右首付け根のつまった感じ」に関して、左側肩甲骨と右うなじから首付け根に極度のこりがあり、これにより両肩が内側に入っている傾向が見られた。これは胸回りと脇下の筋肉を緩め押し広げることで、改善出来るのではないか。

「4.右股関節の付け根痛」については、右腰と右臀部の筋肉の固さが強くあり、股関節と大腿骨の周りの筋肉が伸ばしにくいことで起きている痛みと見立てる。

「3.背中下部から腰のはり感」についても、「4.」で見立てた通り、右腰から右臀部の筋肉が固くなることで腰が伸びない感じが強く出ているととらえる。

骨盤は左側に多少開きあるが、左右のバランスは悪くない。肩甲骨や胸まわりは左側のこりが強いものの、からだ全体としては右側の張りが強い。

背骨の脇が固いことで背中を通る自律神経を圧迫し、「疲労が溜まると感覚が鈍くなり、ボワーンと温かくなる」感覚が出ていると見立てる。

実際に行った施術

・左肩甲骨の内縁と右頭蓋骨下部から首付け根まで首筋にそって筋肉を緩める。併せて脇下から首ラインをの筋肉をほぐし、あごが前へ突き出さないよう調整する。(「2.右首付け根のつまった感じ」へのアプローチ)

・背骨の脇をよく緩めることで、自律神経失調の回復を手伝う。(「1.左背中痛」へのアプローチ)特に腰の筋肉とつながる部分を入念に施術し、「3.背中下部から腰のはり感」を緩和させる。

・右臀部と右恥骨結合部、右大腿骨の際の筋肉を緩めると同時に(「4.右股関節の付け根痛」へのアプローチ)、左股関節と下腹部周辺の固さを取り左骨盤を調整する。

これは股関節・下腹部には若干冷えがあったことから血流を促進させることと、骨盤調整により、からだのバランスを取ることが目的。

施術の結果

結果、10日から14日に1度、計4回ご来院で、すべての症状はなくなった。

主な変化は以下の通り。

・2回目:「1.左背中痛」と「2.右首付け根のつまった感じ」はほとんど気にならなくなる。ただ、「2.」について首の付け根が固い感じは残る。

・3回目:「3.背中下部から腰のはり感」がなくなったことで、からだ全体のバランスをかなり意識するようになった。久々にダンスパフォーマンスをした際に、反り腰になっている自分の癖に初めて気付く。

腰が反る時は、無意識に噛みしめておりあごがひどく痛むことも分かり、股関節のストレッチ、体幹トレーニングを強化。

・4回目:「4.右股関節の付け根痛」が全く出ない。たまに左股関節が疲労により痛むことがあるが、翌朝には治っている。

久々ぐっすり眠れた翌朝、交通事故以降何となく怖かった自転車に乗れるようになる。とても大きな自信になった。

まとめ

・右首付け根のこりが緩むことで胸郭が広がり、首だけではなく背中のはりも改善した。

・右股関節痛の改善に関して、股関節を動かしている右臀部、右恥骨結合部、右大腿骨の際の筋肉を併せて緩めることで症状が出なくなった。

・背中から腰のはり感がなくなったことで、からだを動かしやすくなりご自身でバランスを取れるようになった。体癖や筋力の弱い部分を意識・強化したことで、症状が再発しなかった。

・「疲労が溜まると背中の感覚が鈍くなり、ボワーンと温かくなる」という症状がなくなってから、呼吸が深く出来るようになったり深く眠れるようになった。これは背中の筋肉が緩んだことで自律神経の働きが整った結果である。

院長からのコメント

top001

今回のケースは、おからだのバランス自体の大きな乱れこそありませんでしたが、背中が板のように固くなったことで、元来持っていらした右首のこりや自律神経の失調、冷えなど様々な症状を引き起こしていました。

事故に遭ったことで負傷した部位自体は回復しても、その瞬間に全身に極度の力が入り、それが緩まないまま心身共に症状が改善しないことは少なくありません。

特に背中の極度のこりは、病名が特定できないのぼせ・ふらつき・疲労感などの不定愁訴を起こします。

今回の施術例では「背中が緩み症状がぐっと良くなる」→「前向きにご自身のおからだと向き合えるようになる」→「さらに使いやすいおからだになる」という不調の原因のみならず、快方に向かう「スイッチ」=「きっかけ」を見つける大切さを改めて感じました。