院長のブログ

くせになっていたぎっくり腰がなくなった女性(45歳)の患者さんの実例

患者さんのプロフィール

45歳女性(主婦)。

38歳でご出産後、授乳で妊娠前より体重が-5㎏。断乳後、徐々に体重が増え今は+20㎏。

5年前にぎっくり腰を初めて患い、以降年2~3回は必ずぎっくり腰になってしまう。

ぎっくり腰

からだを動かすことはとても好きだが、子育てなどでご自身の時間が持てないことや、からだに自信がなくなり今は全く運動できない状況。

来院のきっかけ、理由

1.背中から腰にかけて慢性の張り・痛み

長時間同じ姿勢でいた後の動き出しが特に痛む(特に右腰)。背中と腰が噛み合っていない違和感がずっとある感じ。痛みが強い時期は便秘になるのも悩み。

2.年に2~3回ぎっくり腰になる

「1」がひどくなるとぎくっと腰を痛める。一週間くらいで治まるが、その間は全く動けないので困っている。

3.極度の首・肩こり

いつも首が前に出ているのが原因だと思っているが、背中を伸ばしても気づけばまた元通りに。「2」の改善も併せてからだのバランスを改善したい!

当院の見立て

「1.背中から腰にかけて慢性の張り・痛み」について、右側腰部の極度の筋緊張があり、これが「2.年に2~3回ぎっくり腰になる」「3.極度の首・肩こり」にも影響を及ぼしているととらえる。

「3.極度の首・肩こり」に関しては、左側肩甲骨部と首にこりが集中している。(ご本人は押圧されて初めて左右差を体感した、とのこと)

背面は「左肩甲骨部」と「右腰部」、前面は「右胸まわり」と「左股関節」にそれぞれ片寄ったこりがあり、おからだのバランスが取れない状況なのではないか。

それにより、体側が全く伸びず背部の丸まりと下腹部の筋肉の固さも見受けられる。

それぞれ片寄った側の筋肉を緩め骨盤調整をすることで、筋肉の弾力性と骨格の歪みを整えるとすべての症状が改善に向かうと見立てた。

実際に行った施術

【背面側】

・最も筋緊張が高かった右腰部を入念に緩める。腰のトリガーポイントの一つである、右足底部の筋肉の固さも併せて調整する。

・凸状態になっていた左肩甲骨部の筋肉をほぐし、背中を入念に伸ばす。

【表側】

・むくみが特に気になった左股関節と脛(すね)の固さをゆるめる。下腹部も左側により固さあり。

・右鎖骨下の極度の固さと右顔面のこりを入念に施術し、「3.極度の首・肩こり」にアプローチする。

【横向き(体側)】

・左側骨盤の開きが大きかったので、左大腿骨の際~左脚外側のラインをゆるめる。洋梨のように臀部の側面に凸があるので、座骨神経ラインをあわせてほぐし、脚のラインをスッキリさせる。

・右脇下の冷たさあり。表面の右鎖骨下ラインと共に、リンパ節を意識して入念に弛緩させる。

施術の結果

結果、30日に1度、計10回ご来院で、「2.年に2~3回ぎっくり腰になる」の症状は全く出なくなる。

「1.背中から腰にかけて慢性の張り・痛み」及び「3.極度の首・肩こり」は程度・頻度ともかなり軽度になる。主な変化は以下の通り。

・2回目:初回施術翌日は泳いだ後のようなだるさと筋肉の張り感が強く起きられなかったが、3日後くらいから「1.背中から腰にかけて慢性の張り・痛み」が随分楽になる。その状態が1ヶ月続き驚いている。

・3回目:前回施術2週間後くらいから左腰痛が出る。いつもの右腰痛はなし。左肩が上がりにくいのも気になる。多少左の肩周りも痛い。

・4回目:前回施術後、左腰は全く痛まなくなったが、左肩が依然として上げにくい。おしりが小さくなり、今まではきにくかったボディラインの出るスカートが着られるようになりとても嬉しい!

・5回目:久々腰が重くなったが痛みは出ず。そういえば、最近便秘をしていない。左腕を後ろへ回す動作(ブラウスを着る・髪の毛を後ろに束ねるなど)が若干痛むが、左肩の上げ下ろしは痛まず。

・6回目:「3.極度の首・肩こり」が最近気にならず。ママ友やご友人たちに「背中が丸くなくなった!」「姿勢がきれい」」と方々で言われ、とても嬉しかった。

・7回目:左肩の痛みがなくなる。以前よりも腰をひねる角度が広くなったことがうれしく、ストレッチを始める。股関節の左右の開きが随分違うことを実感。右側が開きやすい。

・8回目:左股関節が痛む。ストレッチをすると少し楽になるが、自転車をこぐときなど負荷をかけると痛みを感じる。学生時代、スノー-ボードで痛めた左膝内側も一緒に痛む。

・10回目:左股関節も通常通り動かせるようになり、からだ自体がやわらかく伸びるようになる。全身のこりを感じにくくなっているのと、基礎体温が上がっているからなのか、風邪を一度も引かずに冬を越せた。腰が痛まないので、10年ぶりに御家族でスキーへ。

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※以後も月に一度のご来院を続け、翌1年で-10㎏。更に腰に負担がかからず、健康なおからだになり今に至る。

まとめ

・右側腰部の極度の筋緊張が、左肩甲骨が出っ張る状態や左骨盤の開きを引き起こしていた。からだを左右で引っ張りあっているようにして使っていたことが、「1.背中から腰にかけて慢性の張り・痛み」「2.年に2~3回ぎっくり腰になる」「3.極度の首・肩こり」の諸症状の原因となっていた。

・背面の「左肩甲骨部」と「右腰部」、前面の「右胸まわり」と「左股関節」部分に集中していたこりを取りバランス調整していく過程で、左肩や左股関節など、今までになかった不調が出たが、これらの不調も、からだのバランスが整っていく途中の一時的なものだった。

・骨格の歪みを調整し、偏った筋緊張がなくなることで慢性のこりの緩和や癖になっていたギックリ腰の症状がなくなった。また、基礎体温の上昇、便秘の解消、風邪を引かなくなるなど、体調の改善にもつながった。

院長からのコメント

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初めてご来院頂いてからの最初の約一年は、今までなかった不調が出て不安に思われたことも多かったかと思いますが、ご自身のおからだを冷静に俯瞰されお付き合い頂けたことで、最終的にはおからだそのものの最良のバランスを取り戻して根本的に不調を改善できました。

とりわけ左肩痛は四十肩のような上がりにくさもあり、お辛そうでしたが、長年右腰でバランスを取っていたおからだが左右バランス良くなる過程でよく見受けられる症状です。これは左肩甲骨部の可動域が広がることで改善していきます。

今回の症例に限らず、皆様それぞれに抱えるからだの不調が、その部位だけが原因ではないことは間々あります。

長年かけてこんがらがってしまった「糸口」を一本一本ほどいていくことはかなり根気のいる作業ですが、最後の一本がスルッと抜けておからだがスッキリする快感は何にも代えがたい喜びになりますよ。

 

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