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黒クマと白髪が気になる・・・。【1】 理由は同じところに

20歳後半の女性から

「アンチエイジング対策、どうしていますか?」と

まだまだ若さ漲るキラキラしたお顔で質問を受けました。

聞けば

「黒クマと白髪が最近とても気になるので、対策を練りたい!」

とのこと。

アンチエイジングの臓、「腎」を養えばいい。

答えはすぐに出たのですが、その前に。

「黒クマ」の黒って何?

クマの相場は黒でしょ!他に「何クマ」があるのか分からない。

美容に疎いことが分かってしまいますが、恐る恐る

「・・・黒クマって、普通のクマと何が違うの?」

と逆に質問すると、

クマには4種類あるみたい、とラパンさんは丁寧に教えてくれました。

4種類のクマ

①黒クマ

鏡で目元を見ながら顔を上に向け、色が薄くなったら黒クマの可能性が高いです。

加齢による下まぶたのたるみやシワ、そして顔のむくみです。

たるみやシワが目元に影をつくることでクマのように見えてしまいます。

中医学では、加齢・水分代謝の不調=「腎」の不調を表すと捉えます。

②青クマ

目尻に指先を当てて外側に引っ張った時、クマの色が薄くなるのが青クマの特徴です。

疲れや睡眠不足による目元の血行不良です。

目元は皮膚が薄いため、血液の滞りが皮膚の上からでも青黒く見えてしまいます。

中医学では、血の巡りの不調=「肝」の不調を表すと捉えます。

③茶クマ

青クマの見分けと同じ動作をしても色が変わらない時は茶クマです。

目元の色の色素沈着が原因です。
肌を守る為に発生したメラニン色素が正常に排出されないまま肌の表面に残ってしまいます。

④赤クマ

頬の上の方に指先を当てて下に引っ張った時にクマの部分に赤みが増えた場合は赤クマです。

冷えやストレスによる血行不良が要因で、
静脈と動脈の両方がうっ血を起こしている場合が多いそうです。

中医学での診察方法の一つに、顔や舌の状態をみて症状を判断する

「望診(ぼうしん)法」というものがあります。

顔は臓器の鏡と表現されるとされ、目の下は、「腎臓」にあたります。

中医学から見る目の下のクマの原因は、

水分や血液をろ過する役割の腎臓の機能が低下すると、体内に老廃物が溜まり、

目の下が黒ずむと考えます。

20代後半のラパンさんの場合は、「加齢」よりも、

元々むくみがちな体質から「黒クマ」が気になる、と見立てました。

また、先程もちらっと触れましたがラパンさんがもう一つ気になっている「白髪」も

中医学では「腎」が大きく関係します。

白髪と「腎」の関係

髪の色は、メラノサイトという色相細胞の中で作られる、メラニンによって決まります。

年齢とともに、ホルモンバランスの変化によってメラニンの生成量は少なくなるため、

白髪が増えていきます。

中医学での「腎」は、「先天の本(せんてんのほん)」と呼ばれ、

生命の源であり、生命力や生殖能力の源であると考えます。

また、「腎」は水液代謝を調節することは広く知られていますが、

納気(のうき)と言って、「肺」から受け取った水液と一緒に
「気」も受け取るキャッチャーの役割があります。

水液代謝がうまくいかない=呼吸も浅くなり、体内の正常なガス交換ができないため、

新陳代謝の効率が下がります。

頭皮の血行が悪くなることが白髪の原因の一つに挙げられますが、

今回のケースのむくみなど、

体内の諸々滞りによって白髪になりやすい傾向が見られます。

黒クマと白髪に効果的な食べ物~現代栄養学と薬膳学の観点から
①現代栄養学の観点から
◆カリウム

体内の余分な水分と塩分を排出してくれるカリウムです。腎臓の働きを良くするためにも補給が必要です。

里芋、アボカド、たけのこ、枝豆、ほうれん草、小松菜、バナナ など

◆ビタミンC

紫外線などによるメラニン色素の生成を抑制する働きがあり、

エイジングによるクマなどの肌トラブルや紫外線による色素沈着クマ予防にも効果的です。

パプリカ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、れんこん、イチゴ、柿、みかん など

◆ビタミンE

肌だけでなく体内をめぐる血管や細胞などの様々な要素の老化予防と血流を促す効果、

老化の原因となる活性酸素を除去する事が出来る強い抗酸化作用があります。

玄米、カボチャ、ナッツ類、納豆、アボカド

◆ビタミンA

目の疲労や角膜の健康に効果を発揮します。皮膚や粘膜の免疫力の向上や、抗酸化作用があります。

かぼちゃ、ピーマン、ブロッコリー、ホウレン草、小松菜など色の濃い緑黄色野菜

②薬膳学の観点から

むくみや生殖能力の源である「腎」と、増血や血液循環を促す「肝」を補う食養生をお勧めします。

◆「腎」を元気にする食材

・木の実類(松の実、桑の実、クコの実(goji berry)、くるみなど )

・黒い食べ物(黒豆、黒米、黒キクラゲ、黒ごま、海草類)

・粘りや渋みのあるもの(山芋、もち米、蓮の実、銀杏、牡蠣)

・温性のもの(ラム肉、牛肉、鶏肉、エビ、生姜、シナモン、ニラなど)

◆「肝」を元気にする食材

・発散させる効果のある食材(ねぎ・生姜・香菜・みょうが・みつば・葛粉)

・熱を冷まして解毒効果のある食材(白菜・セロリ・きゅうり・豆腐)

・血を補う食材(米・にんじん・ほうれん草・小松菜・長いも・かぼちゃ・ぶどう・大豆・牛肉)

・潤す食材 (キウイフルーツ・ごま・豆乳・牛乳・鶏卵・豚肉・鴨肉カキ・アワビ・カニ・クラゲ)

これだけズラーッと食材が並ぶと、「・・・で、結局何がいいの?」となってしまうのが

食養生の難しいところです。

薬膳学の観点から考えると、主役を決めて、なるべく陰陽バランス良く。そして安価に美味しく。

今回のテーマは「黒クマと白髪の改善」、お悩みのラパンさんはむくみやすい体質がありましたから、

現代栄養学から

◆カリウム

体内の余分な水分と塩分を排出してくれるカリウムです。腎臓の働きを良くするためにも補給が必要です。

里芋、アボカド、たけのこ、枝豆、ほうれん草、小松菜、バナナ など

白髪改善には「補血を中心に巡りを良くする」ことを考え、薬膳学から

◆「肝」を元気にする食材
・血を補う食材(米・にんじん・ほうれん草・小松菜・長いも・かぼちゃ・ぶどう・大豆・牛肉)

そして、アンチエイジングという観点で、潤したいので

◆ビタミンA

目の疲労や角膜の健康に効果を発揮します。皮膚や粘膜の免疫力の向上や、抗酸化作用があります。

かぼちゃ、ピーマン、ブロッコリー、ホウレン草、小松菜など色の濃い緑黄色野菜

◆「肝」を元気にする食材
・潤す食材 (キウイフルーツ・ごま・豆乳・牛乳・鶏卵・豚肉・鴨肉カキ・アワビ・カニ・クラゲ)

カリウム・ビタミンA、補血(血を補う)の食材で「ほうれん草」「小松菜」が共通していますね。

目的に合ったものを主役にし、あとは冷蔵庫を覗きます。

牛挽肉が少し余っている!

炒めても良し、卵を合わせてオムレツも良し。

挽肉ではなく豆腐を入れて味噌汁も良し。(大豆が取れるので効果大)

主役=目的が決まれば、十分な薬膳料理です。

今回は潤いの食材「豆乳」がちょうどあったので、豆乳スープにします。

・・・という感じで、次回は「小松菜」を使った脱力薬膳料理をご紹介します。

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