こんにちは。院長の小澤です。
先日、「こども整体」の施術を受けに、
小学4年生の女の子とそのお母様が
ご来院されました。
「先月、初潮が来ました。
もう、身長が伸びなくなる…
少しでも無駄なく身長を伸ばしたくて
骨盤調整をして頂けませんか?」
という主訴でした。
お子さんは現在142センチ。
「初潮後は最大10センチしか伸びないから」
というお母様は172センチの
スラっとしたプロポーション。
このお母様も、実妹様もわたくしの患者さんですが、
妹さんもやはり170センチを超える
お母様と同じ体型です。
「初潮後、伸び幅10センチってことはないんじゃないの?」
というわたくしに、
「先生は、いつ初潮がきました?」
とお母様。
中学1年生の7月、誕生日当日だとお伝えすると、
「ほらね!背の高い人は
わたしの調査の結果、みんな中学生以降に
初潮を迎えているの」。
わたくしの身長は初潮時におおよそ160センチでした。
現在170センチ。
…伸び幅10センチ!!
昭和の時代柄?
わたくし自身、高身長はコンプレックスでした。
現在の仕事に就き、
皆さんそれぞれのおからだを施術する中で、
高身長という自分のからだの個性も
悪くないなと受け入れました。
身長の高低の受け止め方も、またそれぞれ。
先ほどのお母様は
「わたしは自分が大きいのが好きだから、
娘ももう少し大きくなってくれるとうれしいなーと思って」
とおっしゃっていました。
初潮後、どのくらい大きくなるのかが気になり、
自分の目で確かめてみようと、
408名の患者様や友人、そのお知り合いなど
20歳以上の女性の皆様にご協力頂き統計を取りました。
初潮後の身長の伸びは平均5.7センチ。
トータルの最大の伸び幅は、
わたくしを含めた3名の10センチでした。
世に出ている統計数値と大きく変わらず。
今回ご協力頂いた408名のうち、
わたくしを含め6名が170センチ以上、
初潮時期は平均14.2歳でした。
調査をしていた今秋、
大型犬(ゴールデンレトリバー)の施術をしている時に
その飼い主様にも調査のご協力をお願いした際、
「そうそう!犬もね、大型犬は初潮が遅いんですって!」
と教えて頂きました。
【性成熟に達する時期は、
犬種や飼育環境によって多少差があるものの、
一般に小型犬は早く、大型犬は遅いことが知られています】
http://www.ohmura-ah.com/kenkou/prevention_02.html
ヒトも犬も、
成長ホルモンから女性ホルモンへの
移行の過程時期と身長の伸びが関係するようです。
そこで大きくかかわるのが「骨形成」。
それは、身長が伸びる初潮時期だけではなく、
骨密度の低下が起こる閉経時期にも
大切なポイントです。
今回は、女性ホルモンと骨形成の関わりを
皆様とシェアしたいと思います。
成長期における「骨形成」
女子の身長の伸びには3段階のパターンがあります。
①3歳までの乳幼児期・栄養を主に身長が伸びる
②4歳から思春期の始まり・成長ホルモンが主に身長が伸びる
③思春期以降・女性ホルモンが主で身長が伸びる
初潮の時期は②に当てはまるので、
身長を伸ばすために成長ホルモンが大切になります。
この時に大きく影響を受けるのが「骨の形成」です。
骨の形成とは、
『骨が伸びること』と『骨の密度が増すこと』を指します。
骨の形成というと、身長が伸びることをイメージしやすいですが、
骨の密度も増加することで、
しっかりとした強い骨が形成されていきます。
骨は幼少期から形成され始め、
男性は高校入学頃、
女性は初潮時期に一気に身長が伸び、
男女共に20歳前後に完成します。
この年齢から、
女性の場合は、「骨の形成」が
成長ホルモンとともに女性ホルモンの影響を受けているのが
分かります。
女性ホルモンと骨形成
女性ホルモンであるエストロゲンには、
骨を形成する骨芽細胞の働きを活性化する作用があることが
分かっています。
生理が始まる頃にエストロゲンの分泌が盛んになることで、
骨芽細胞の働きが高まり、
骨の形成が急速に進むと考えられています。
閉経時期に骨粗鬆症のリスクが上がることも、
エストロゲンの分泌減少が大きく影響しています。
女の子にとって女性ホルモンの分泌が始まった時期は、
骨の形成に重要な時期。
この時期に大切なことは、
きちんと食事をとって体重を増やすこと。
当たり前のことですが、
骨の形成にとって非常に重要なことといえます。
痩せていないといけない風潮や、
自分の体型が気になり出した時に
簡単にダイエット情報が手に入る時代背景、
部活や習い事で体重を絞るよう指導されることがあるなど、
周りからの影響がきっかけとなって
食事を拒否する方向に進むと、
時間が経過すると身長が伸びなくなる症例が存在します。
同時に骨の密度の成長も進まなくなります。
栄養が十分に取れないことで
ホルモンの分泌が抑制されてしまい、
その結果、骨の形成も遅れると考えられています。
https://www.joshi-karada.jp/growth/6692.html
「骨形成」のために日頃からできるポイント
何よりもまず、『食べること』が大切です。
近年は孤食の時代と言われ、
初潮時は親は仕事で帰宅が遅く、
子どもも夜遅くまでの習い事で
親子一緒に食事をする機会が減る時期。
閉経時は子どもも成長してぞれぞれの生活が確立し、
つい自分自身の食事がおろそかになりがちです。
どのくらい食べているのかが分からない、
といった状況を招いてしまっていないかを
確認してみてください。
『いつもより食べる量が減ってきていないか』
『食べ物の好みが偏ってきていないか』
など、初潮時はお子様に、
閉経時はご自身にぜひ注意して様子をみてください。
変化が感じられる場合には、
足りない物を付け足しながら、
おいしく感じる楽しい食事の時間を積み上げていくことが大切です。
どんな食材がいいの?
『タンパク質』は女性ホルモンの材料にもなる大切な栄養素です。
肉・卵・チーズ・大豆製品を意識して食事に取り入れることは
重要です。
ただ、真面目な方ほど、しっかり取り入れようとして
結局食事がおざなりになってしまうケースも多く見受けられます。
それなら、まずは『食べること』!
多少の偏りがあろうとも、
まずは食事を楽しみ、その時間を大切に。
初潮時は、将来にわたって「食事を大切にする」という考えが
子どもたちに伝わると、尚良しですね。
食べることがしっかりできるようであれば、
女性ホルモンの分泌や代謝を助けてくれる
『ビタミンB6』『鉄分』も、
女性は不足しないように注意したい栄養素です。
『ビタミンB6』は
マグロやカツオのお刺身や鮭、ニンニクなどに多く含まれます。
『鉄分』はレバーが有名ですが、
小松菜やホウレンソウ、ひじきなどにも含まれます。
中医学的・薬膳学的な観点から
わたくしが日頃当院併設の薬膳カフェなどで扱う
薬膳的な観点からも、
「骨形成」に最も大切なのは「食べること」と言えます。
中医学的に「骨形成」にかかわる臓は「腎」。
中医学での「腎」は、
皆さまご存じの「腎臓」のほか、
排泄を司る「膀胱」、
成長や老化などの「精」を担う臓でもあります。
呼吸によって吸う清気(空気)と
食べ物に宿る穀気(飲食物)が
最終的に「腎」運ばれ、
真気(しんき)という気が出来上がり、
これが元気という形で蓄えられているのです。
しっかり呼吸が出来ていて
身体に良い食べ物を食べれば元気が出来るというわけです。
成長に、そしてアンチエイジングに働く
「腎」にいいとされる食材は
・冬にとれる根菜類、大根、サトイモ、ゴボウ、など
・色の黒い食材
【黒ゴマ、黒豆、黒砂糖、(白砂糖は体を最も冷やします)、ひじきなど】
・天日塩
・干した生姜
・長ネギ
・松の実
などがあります。
何はともあれ、
食事を楽しむ時間が最優先です。
寒さが身に沁みてきたこの時季は、
タンパク質と野菜が一度にたくさん摂れる鍋など、
温まる夕飯で心身元気に健やかに
お過ごしください!