こんにちは。院長の小澤です。
前回の記事にてご紹介した、わたくしの「ヤンキー坐り」デビュー。
昨秋、中殿筋の肉離れを起こし、
股関節を柔らかくすることでその痛みが随分早く改善したことから、
股関節や鼠径部、内転筋や恥骨筋のストレッチにはまりだしたストレッチの秋。
なぜ、自分はかかとをつけてしゃがむことができないのか?
ということがものすごく気になったのです。
かかとをつけてしゃがもうとすると、尻もちをついてしまいます。
「どこか」が柔らかくなり、「どこか」で支えられるようになれば
かかとを付けて座れるのではないのか・・・
そう閃いた晩秋、すでに股関節が少し柔らかくなり始めていたのかもしれません。
ここからは整体師、自分のからだは何よりの実験台です。
一気に血が騒ぎ、「ヤンキー坐りへの道」が始まりました。
そして、苦節5ヶ月。(そんなたいそうなのもではありませんが)
まだまだ大股ではありますが、かかとをつけて座れるようになった今、
「肋骨」と「仙骨」が連動して動くことが鍵なんだ!
ということが分かりました。
わたくしの場合はたまたま「ヤンキー坐り」でしたが、
皆様それぞれに苦手としている体勢、動かしにくいポーズは共通して
「肋骨」「仙骨」の動きを見直してみると、答えが見つかるのではないかと
思っています。
今回は少しマニアックな話、「肋骨」と「仙骨」の関わりについて、
ヤンキーに倣って熱くお伝えしたいと思います。
そして、「肋骨」「仙骨」を連動させるために、
わたくしが自宅でこそこそ自主練していた
部屋でのウォーキング・トレーニングを皆さんとシェアしたいと思います。
折しもなかなかからだを動かせないこの時期に、
少しでもお役に立てれば嬉しいです。
なぜ「部屋」なのか・・・動きが恥ずかしいからです。笑
仙骨の場所と大事な役割
仙骨とは骨盤の中央、背骨の下端に位置している骨の名称です。
ちょうどからだの真ん中にあり、背骨・上半身を支える重要な役割を担っています。
「仙」という字が当てられるくらい中国では古代から重要な骨と考えられ、
英語では”SACRED BONE(聖なる骨)”と呼ばれています。
洋の東西を問わず、仙骨は古来からとても重要視されているようです。
この仙骨がダランと寝てしまうと、重さが数キロにもなる頭の重みが、
頚骨(首の骨)や背骨、骨盤に不自然にかかり、負担になってしまいます。
目に見えない仙骨を真っ直ぐ立たせるには、おへその位置を意識します。
おへその向きを地面と平行にする・・・これだけで、自然と仙骨が立ちます。
立っているだけで、上半身がスッと軽くなったような無理のない、
自然できれいな立ち姿が出来上がります。
仙骨の奥深さは、姿勢を正せることやからだの機能が上がることだけではありません。
仙骨は別名「感情の脳」とも呼ばれます。
判断や思考といった「理性の脳」が頭蓋骨にあるのに対して、
「感情の脳」は骨盤の中心に位置する仙骨にあるというのです。
仙骨は小さな骨ですが、
骨がブロック状に組み合わさっており、二十一面体の構造になっています。
それらは常に微振動を発しており、背骨を通じて脳幹に骨髄液を送り込むなど、
脳への様々な司令塔役を果たしています。
「感情の脳」とも言われるのは、その働きが脳の感情や情緒を司る部分に
大きな影響を与えるからではないかと考えられています。
仙骨を意識してスロージョギングをしてみたら・・・
ジョギングやウォーキングの際、
一般的に、足と反対の腕を大きく振ることによって、
前進力がつくと思われがちですが、
あくまでも、歩く主役は下半身。
仙骨を立てるようにして走ろうとすると、腕の高さと位置がポイントになることに
気付きました。
例えば右腕の振り方ですが、
左足前進した時に肘をまげて手がおへその前あたり
(正確には仙骨の前)にくるように、
次に、右足前進した時に肘を斜め後ろにグイッと引いて、
そしてその間で振ります。
逆の腕も、その右左逆を行います。
ここで最大のポイントは、仙骨と手の位置関係です。
腕と反対の足が出た時は手を出来るだけ仙骨に近づけ、
同じ側の足が出た時には手を出来るだけ仙骨から離すのです。
かなり楽に、スピードに乗って走れて驚きました!
このことから、すっかり仙骨の信者となり、様々な仙骨エクササイズを始めました。
仙骨とセットで動くのは・・・肋骨!
肋骨を立てて生活することばかりを考えながら迎えた2020年。
仙骨を立てて「ヤンキー坐り」をしようとすると、
自分の上半身が丸まっていることが邪魔をしていることに気付きました。
それなら!
両腕を前に伸ばして、長めのフェイスタオルを
横にグッと引っ張るようにして持ちながらかがんでみると・・・。
かかとはまだ浮きますが、仙骨を立てながら、かなり深くまで座れるように!
タオルを横にグッと引っ張る動作で肋骨を広げられたので、
自然と上半身もまっすぐに伸び、仙骨が立ちやすくなったのです。
おへそを中心として、上半身が天に引っ張られていいるような、
下半身はしっかりと大地を踏みしめているような、
「ぶら上がる」と「ぶら下がる」という二つの感覚をつかみました。
物理的な重心は体内に1カ所ですが、それとは別に、おへそを中心として
上と下に両方あるイメージが大事。
からだがスッと上下に伸びることで、仙骨のロックが解除されたような
そんな瞬間でした。
からだの中心を貫く脊椎(背骨)は、横から見るとゆるやかなS字カーブを
描いているのが理想です。
肋骨と仙骨がお互いの動きに呼応しながら、協調した動きができるようになると、
脊椎のS字カーブがしなやかになり、美しいからだの動きが実現するのです。
※出典 https://www.chacott-jp.com/news/useful/lecture/detail011886.html
そんな目線で様々なジャンルのアスリートやバレーダンサーの動きを
改めて観察すると、それぞれの関節の可動域が広く、
それが複合的にスムールに連動して動いているのがよく分かります。
肋骨と仙骨の「阿吽の呼吸」があってはじめて、
インナーマッスルが鍛えられ、使えるようになるんですね。
ということで、先程の仙骨のエクササイズに加えて、
こそこそ自主練していた肋骨ウォーキング・エクササイズをご紹介します。
仙骨を立てると脂肪が燃える!
仙骨の場所をご説明するため、冒頭に背面からみた画像を載せましたが、
仙骨を側面から見ると、こんな感じになっています。
※出典 https://www.chacott-jp.com/news/useful/lecture/detail011886.html
大きくカーブしているのがよく分かります。
このカーブを最大限に利用して仙骨を立てると・・・こんなイメージです。
仙骨が支える脊椎も自然に弯曲し、肋骨が開きます。
特定の筋肉に負担がかかりにくくなるので、動きもしなやかに。
内臓が圧迫されるなどの不具合が軽減し、
血液やリンパ液など循環系の滞りも減少。
むくみがなくなり、すっきりとしたからだになります。
肋骨と仙骨の連動で、体幹がフル稼働するようになると、
スポーツ技術の上達はもちろん、エネルギー源としての
脂肪量も増加するといううれしいおまけつきです。
「ヤンキー坐り」から始まった、仙骨を立てる道のりはまだまだ続きます。