こんにちは。院長の小澤です。
明日2月4日~18日は立春。
立春は春の始まりを告げる節気であり、旧暦ではこの季節から新年がはじまると考えられています。
中医学では、自然界のすべてのことは春から始まり、
春はすべてのものが生き生きと栄えてくると捉えます。
現存する中国最古の医学書 『黄帝内経 』によれば、
立春から立夏(5/5~5/20)に至るまでの期間にあたる春の三ヶ月は
八陳の時期とされています。
発陳の「陳」は、古いものという意味。
このことから、発陳の時期は
「冬の間に溜まっていたものを身体の外に出し、新しいものを生み出す」
季節と言えます。
立春のはじまりには、「肝」に関係した症状が現れやすい
春は中医学でいうと「肝」が関係する季節です。
中医学でいう「肝」は、肝=肝臓という意味ではなく、
以下2つの作用があると捉えます。
①疏泄作用
情志活動、消化吸収、気血の運行がスムーズになるようコントロールする
はたらき。
各臓器を調節し、胆汁を分泌するなどの機能もあります。
肝臓の作用の促進させることで、 中枢神経や自律神経系のバランスが整います。
②蔵血作用
血の貯蔵と全身の循環している血の量の調節するはたらき。
血液は飲食物や腎の生命エネルギーから作られて全身に運ばれますが、
余ったものは肝にストックし、必要に応じてストック分を出し入れしています。
立春は春の中でも初期ですので、「肝」に関係する
・目の充血、かすみ目、目の乾燥、めまいなどの目の症状
・中枢神経に関連した筋肉の引きつり、こむら返り
などが生じやすいとされています。
これらの症状がみられる場合は、“からだのエネルギー”が不足している証拠です。
また、立春は
・イライラや怒りやすいなどの感情的な変化が起こりやすい
時期です。これらの症状が認められる場合は“こころのエネルギー”が不足しています。
これがが極まると
・便秘、手足の冷え、喉の渇きなどの自律神経症状
さらには
・不眠やうつなどの精神症状
が現れます。
一年を健康にする立春の過ごし方
ポイント1.無理せずゆったりと、でも必ず活動的に動くこと
気候が暖かくなり、すべてのものが活気づいてからだを動かしたくなる季節です。
「肝」を元気に動かすためにも、夜更かしはせず、
そして、朝は少し早く起きて、ゆっくり散歩したり、身体を動かしましょう。
また、下着などでからだは締め付けないように。
立春のこの時期にじっと過ごしてしまうと、内分泌や自律神経が乱れたり、
夏に体が芯から冷えると言われます。
ポイント2. からだを伸びやかにしてリラックス
「肝」の気は上昇する性質をもっていて、春の陽気に刺激され肝気が昇り過ぎることがあります。
それにより、緊張したり、怒ったりイライラしたりすると「肝」の気の巡りが悪くなって、
先程同様、内分泌や自律神経が乱れたり、夏に体が冷え性になると言われます。
「肝」の気の上昇により、頭痛・のぼせ・めまい・不眠・便秘・肌荒れなどの症状も出やすいです。
不調を感じたら、呼吸を意識してみましょう。
浅くなっていることが多いので、そんな時には以下の方法で呼吸を深く整えるのもお勧めです。
お勧めの養生:呼吸法
①10~15秒かけ身体の中の悪いものを出すイメージで、息を口からゆっくりと吐く。
②息を吐き切ったら、おしりをきゅっとしめる
③自然の中の良いものを吸う、アロマなどのいい香りを嗅ぐイメージで鼻で息を吸う
ゆっくりと20回ほど繰り返すと、ストレス発散しやすくなり自律神経を整えられます。