院長のブログ

むくみの原因とセルフケアのためのマッサージ方法

朝はいてきたはずのブーツが、夕方には全く入らない・・・。

目力とは無縁の腫れぼったい目・・・。

からだが重く、ウェストが見当たらない・・・。

なぜ、私たちを悩ませる「むくみ」は起こるのでしょう?

私たちのからだでは、常に「代謝」が起きています(代謝とは命を保つために必要な体内の活動のことをいいます)。食物からエネルギーを得たり、細胞を分裂させたり・・・という体内の活動(代謝)は休むことがありません。

そして、代謝をすることで細胞からは二酸化炭素、老廃物などが生まれます。老廃物とは例えば死んだ細胞などです。

これらの老廃物の90%は静脈で回収され、尿や便となって体外に出ていきます。

しかし使わない脂肪や細菌など、大きな分子構成の老廃物は細胞細胞間質液(さいぼうかんしつえき:細胞を浸す液体)の中に溜まってしまいます。

リンパ管は、この残り10%の老廃物を回収する役割があります。

リンパ管

健康で体の機能が順調に働いているときは、大きい老廃物はリンパ管が回収してくれるのですが、リンパの流れが悪いなど機能不順の場合は老廃物を含んだリンパ液が漏れだし、細胞と細胞の間に溜まってしまいます。

おのずと水分量が増えることになり、「むくみ」の症状として現れてしまうのです。

つまり水はけが悪い状態になることで「むくみ」が生まれるのですが、そもそも何が原因になるのかというと、以下のようなものが挙げられます。

むくみの原因となるもの

1.冷えや血行不良など

冷えは血行を悪くし、筋肉の疲労やストレスなどによる筋肉の緊張は血行不良を引き起こします。

2.運動不足を含む新陳代謝の低下

運動不足により筋肉量が低下することで、基礎代謝が下がり、新陳代謝も悪くなります。

3.インスタント食品などの塩分の取りすぎ

塩分の影響により、細胞の浸透現象で血管の外に水が染み出てしまうイメージです。

4.ホルモンの影響

女性は生理が始まる前の一週間くらい、ホルモン濃度の関係でむくみやすくなります。

5.ビタミン・ミネラルの不足

特にカリウム、マグネシウム、カルシウムなどの不足がむくみに影響します。

また、むくみには上記のような「生理的むくみ」だけではなく、「病気が隠れているむくみ」もあります。

・むくみが一日中持続する
(夕方にむくみが強くなり、一晩横になり翌朝は消えている場合は心配は少ない)
・むくみが何日も続いている
・急に体重が増えた
・尿の出が悪い
・坂道や階段で息が切れる、疲れやすい

といった症状があれば、以下の「むくみ要因の病気」も考えられます。一度診察を受けることをお勧めします。

むくみに関連する病気

1.心臓病

心不全を伴う心蔵性浮腫(ふしゅ:むくみのこと)が原因

2.腎臓病

腎炎・腎不全に伴う腎性浮腫

3.内分泌性浮腫

代表的なものに、甲状腺機能低下症に伴う硬いむくみ

4.薬剤性浮腫

薬(ステロイド・風邪薬・漢方薬など)の副作用でまれにあるむくみ

5.特発性浮腫

中年女性に多い、良性の浮腫。上記のいずれでもなく原因は不明。

むくみの予防・解決法を考える前に!

そもそも「むくみやすい人」と「むくみにくい人」の違いは何でしょう?

一般的に男性よりも女性の方がむくみやすいと言われています。むくみ外来を受診する方は90%が女性とのこと。

女性の方が浮腫みやすい最大の理由は、男性よりも筋肉量が少ないことです。筋肉量がすくないと代謝が下がり、体液の流れが滞ってしまうことが一因。

そうです!

この体液の流れの差が「むくみやすい人」と「むくみにくい人」との一番の違いなのです。

リンパの老廃物はこのように運ばれます。

リンパの流れ

全身のリンパ管とリンパの流れ

細胞から排出された老廃物は、全身に張り巡らされた「リンパ管」に取り込まれ、「リンパ液」によって運ばれます。

リンパ液は腋窩・鼠径部・ひざ下などの「リンパ節」を通り、最後に鎖骨下静脈と合流する最大のゴミ箱「鎖骨上窩(じょうか)リンパ節」に運ばれ、静脈角にたどり着き、体外に排出されます。

リンパ液の流れはとてもおだやかで、1分間に進むのは約24センチです。

これだけの距離をゆっくり進むのですから、押し上げる筋肉の力はとても重要です。筋肉が冷えて固くなりやすい冬は、とりわけむくみやすいシーズンです。

関節をよく暖め、筋肉が動きやすい状態にすることで、むくみが改善します。

むくみの予防・解決の方法と自分でできるマッサージ

・お風呂などで暖める
・マッサージをする
(心蔵から遠く離れた下肢の血流を戻すために、脚の筋肉がポンプの働きをしているので、特にふくらはぎの筋肉をほぐす)

など筋肉をゆるめると効果大です。

マッサージ後にたっぷり水分補給をお忘れなく。老廃物がスムーズに排泄されさらにスッキリします。

1.あしの経路をマッサージ

足のリンパマッサージ

両手であしを包み、特に脚の裏側に当たっている親指以外の4本の指で、足首からひざ裏、あしの付け根のそけいリンパ節にに向かってマッサージします。

2.そけい部をマッサージ

鼠径部のリンパマッサージ

仰向けになりひざを立て、両手のひらでそけいリンパ節を外側から内側へ向けてさする。ここが固い場合は、まず付け根を親指で押してからさすると効果的です。

3.あしのリンパをマッサージ

リンパマッサージ

体重をかけて少し強めに、あしの内側にあるリンパを足首からそけいリンパ節に向けてさすりながら上げます。固いところは、その部分を親湯にで押した後、さする動作を繰り返すと流れが良くなります。

4.足裏のツボを刺激

足裏のリンパマッサージ

裏の固い部分を中心に、両親指を使って押します。人差し指の下に位置する「湧泉」というツボは、むくみに特に効果的です。

5.鎖骨のまわりをマッサージ

鎖骨リンパマッサージ

左手の人差し指と中指で、右の鎖骨をはさむように置き、片側から鎖骨の中央に向かってマッサージします。

次にわきの下のリンパ節に向かってマッサージします。反対側も同様におこないます。

6.首をマッサージ

首のリンパマッサージ

両手の4指(親指以外)を右の耳の後ろに当て、左手は鎖骨の方へ、右手は肩先に向かって流します。左右の手を交互に動かしながらマッサージするのがコツです。反対側も同様におこないます。

当院ではリンパの流れを改善し代謝アップさせるための施術を行っています

リンパ液のおだやかな流れに乗り、おなかをマッサージすることで、さらにむくみの解消になります。

おなかの筋肉は腰と連動して動きますので、背面とのバランスを取りながら筋肉と骨格の両方にアプローチする施術をします。

また、そけい部はおしりと連動して動きます。ヒップアップや骨盤調整を兼ね、代謝アップしてみませんか?

 

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