院長のブログ

地面に足をつけないほど痛かった股関節痛がなくなった女性(62歳)の患者さんの実例

患者さんのプロフィール

65歳女性(主婦)。

バレーボール他、運動経験豊富な肉体派。昨年からトレッキングもはじめ、とても楽しんでいる。ご両親の介護のため、月に2~3回東京と愛知をご自身の運転で往復。

10年前、重たい物を移動した際にギックリ腰を患う。以降2年に1度くらい、計5回発症。

来院のきっかけ、理由

1.地面に足が着けないほど、右股関節が突然痛む。

愛知にいるお母様の病院に付き添い4時間座りっぱなしの後、そのまま車を運転し東京へ帰宅。車から降りられないほどに股関節が突然痛み、そのまま救急病院へ駆け込むも骨に異常はないと診断される。

その後、激痛は自然に治まったが、階段昇降や坂道歩行は踏み込む角度や勢いによってかなり痛む。

2.4ヶ月前にぎっくり腰を患った

今思えば、「1」の股関節痛がひどくなっている時にギックリ腰になった気がする。過去4回のギックリ腰同様、数日安静にして治まった。日常の腰痛は全くなし。

3.極度の首・肩こり

20代の頃から慢性のもの。からだを動かすと多少楽になるので、「こんなものだろう」とうまく付き合っている。

当院の見立て

「1.右股関節が突然痛む」について、左肩甲骨が極度に凸、左腰がねじれあがっている状態が見受けられ、重心点が左へ寄りすぎていることで発症したと見立てる。

脊椎が左にカーブしており(左側弯)、これが「3.極度の首・肩こり」の原因ととらえる。(側弯していることは今まで全く自覚がなかった、とのこと)

長年、歪みをカバーするためにからだの他部位でうまくバランスを取っていたが、筋緊張が極度に強くなると、「2.ぎっくり腰」や、「1.右股関節が突然痛む」にも影響を及ぼしているととらえる。

「左肩甲骨部」と「左腰部」の筋緊張を弛緩させ、「右大腿骨際」と「右内もも付け根」の圧迫を取ることで、「1.右股関節が突然痛む」の症状が改善に向かうと見立てた。

「2.ぎっくり腰」「3.極度の首・肩こり」は股関節の改善と共にからだのバランスが取れることで一緒に快方に向かい、ギックリ腰の癖がなくなると踏まえる。

実際に行った施術

背面側

・凸状態の左肩甲骨部の筋肉をほぐし、背中から腰にかけ、全体的に筋緊張の高い左側をを入念に伸ばす。

・右臀部の押圧痛がひどかったため、太ももから膝裏・ふくらはぎまで一本の線に沿うように筋肉を弛緩させる。

・左首肩付け根からうなじにかけ、常に力が入っているような強いこりがあり、併せてほぐす。

表側

・右股関節と大腿骨の際、内もも・外ももをストレッチしながら筋肉を弛緩させ、股関節の可動域を広げていく。膝を抱えるような姿勢のまま、足を内側に倒して外ももの筋肉を緩めることを最も入念に行う。

・腹部の冷たさがとても気になったので、右股関節から下腹部にかけてを弛緩させる。「丹田」付近の固さが特に目立った。

横向き(体側)

・左上の状態で、
①左体側(特に脇下~大腿骨)を押圧し背中を緩める。
②左脇下から首、側頭部の強い筋緊張を弛緩させる。
③右恥骨結合部から内転筋群を入念に押圧。

・右上の状態で右大腿骨周りから外ももの筋肉を緩める。

施術の結果

結果、30日に1度、計3回ご来院で、「1.右股関節が突然痛む」の症状は全く出なくなる。

「2.ぎっくり腰」の危うい感じもなく、「3.極度の首・肩こり」は程度がかなり軽減した。

主な変化は以下の通り。

・2回目:

右股関節痛自体はかなり軽減するも、運動量の多かった翌日や、長時間座っていた後はやはり引きずるように痛むことがある。ただ、歩き出してしまえば自然に痛くなくなってくる。

右内ももが緩むと痛くなくなることが前回の施術でよく分かったので、入浴後はまめに伸ばすようになった。

・3回目:

右股関節痛は全く出なくなる。ただ、からだを使いすぎると右股関節が固くなるので、ストレッチをしてよく伸ばしている。

今まではただただ首肩が凝っていることを感じていたが、右股関節をやわらかくしようと意識するようになったことで、首肩のこりが左側に強く出ていることを初めて自覚する。
この凝りがひどくなってくると、左腰が引っ張られるように痛くなることが何度かあった。意識して左の体側を伸ばすようにしたら、翌日は痛みがなかった。

※以後も2ヶ月に一度のご来院を続ける。厳寒の折も股関節痛は出ず、冬のトレッキングや長距離の運転をしている。

まとめ

左肩甲骨の凸や左首肩のこり、脊椎の左側弯による長年のからだの歪みが「1.右股関節が突然痛む」「2.ぎっくり腰」「3.極度の首・肩こり」すべての症状を引き起こしていた。

・「1.右股関節が突然痛む」については、特に押圧痛が大きかった右恥骨結合部~内転筋群を緩めたことで、股関節痛が激減した。

・骨格の歪みを調整し、偏った筋緊張がなくなることで慢性のこりの緩和や癖になっていた、ぎっくり腰の症状がなくなった。

院長からのコメント

「突然起こった症状」と思われる状態が、おからだの長年の歪みで少しずつ症状が出ていたというケースは少なくありません。

今回のケーズのように、ご自身のおからだの状態を初めて知り、おからだの使い方やストレッチで伸ばす箇所を把握することで、結果他の箇所のこりや不調も改善するということもまた、多々あります。

一番近くにあり、一番把握出来ていないのは「自分の心身」なんだなとこういった施術の機会を得る度に痛感します。

わたくしも含め、考えてしまいがちな

「これくらいの疲労で自分のからだが悪くなるわけがない」
「たったこれだけしか歩いていないのに、からだが痛むなんて情けない」
「一週間も前に運動した疲労がまだ残っているなんて、随分歳をとってしまったな」

という思考がふと頭をよぎった際は、一呼吸置いて、「自分のからだが今、こんなふうに声を上げているんだな」と俯瞰してみると、からだの不調が軽減します。

体調や出来事など、日々をありのままに受け入れることの大切さと難しさを知った時点で皆様のお身体が快方に向かうことは、とても嬉しいことです。

当院の施術で、おからだと対話する気持ちよさを体感してみませんか?

 

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