こんにちは。院長の小澤です。
桜が咲き始めるこの時期は、天候の変化や気温差が大きいこともあり、
中枢神経に関連した筋肉の引きつり、こむら返りが生じやすい時期。
こむら返りが起こる背景として、大きく以下の要因があります。
1.
ふくらはぎや足首まわりの筋肉が固まってしまう。
特に就寝時は、足の甲とすねが一直線になる状態が長時間続き、
筋肉が固まるため。また、感覚器官の働きが鈍くなるため。
2.
ビタミン・ミネラルが不足すると、
電解質のバランスが崩れ、こむら返りが起こりやすくなる。
また、外食が続くことでの偏った食事や、
栄養(特に血液をつくる栄養素)不足などが原因で、起こる場合も。
3.
一時的な糖分の過剰摂取も、代謝のためにビタミンが消費されるため、
こむら返りが起こることがある。
今回は、季節に影響を受けやすい「肝」と密接な関係を持つ「筋肉」を労る観点から、
(春に足がつりやすくなるのは、筋肉がいつも以上に繊細になっているから。 他には「目」や「爪」も挙げられます。 見えにくかったり、割れやすかったり・・・いつも以上に疲れやすくなっています。)
こむら返りを防ぐ筋肉を緩める方法をお話したいと思います。
こむら返りを起こしやすい人は、膝裏が伸びていないことが非常に多い!
こんな感じです。思い当たりませんか?
ひざが伸びていないといえば・・・
犬の後肢(後ろ足)もひざが伸びていません。
けれど、彼らは足がつりません。
施術しながらインタビューしたことはありませんが、
おそらく、こむら返りは起こっていません。
犬の後肢の膝から上は、胴体部分に密着しているので、
わたしたちが普段犬の後肢として見ている部分は、大部分が膝から先の部分に当たります。
上図の「飛節」はヒトでいう「かかと」にあたります。
犬は指先で体重を支える構造になっていて、
飛節から地面と接している指までの長い距離は、人間の「土踏まず」に当たります。
より早く走るため、そしてよりジャンプ力を高めるために、
犬のひざは常時曲がっています。
四足歩行の犬たちはひざを曲げているのが自然。
二足歩行のヒトは本来、ひざを伸ばしているのが自然。
それは、ひざ下の筋肉の数の違いにあります。
犬はなぜつま先で歩行するの?
湿布薬のCMで「ヒラメ筋」にしっぷを貼ると、足が楽になる!
というのをご覧になったことがあるかと思います。
犬にはこのヒラメ筋がありません。これが、犬がつま先で歩行する理由です。
筋肉はこのようにいくつかの房に分かれており、
犬の下腿は二頭筋、
ヒトは二足で歩行するために下腿を発達させたので、下腿は三頭筋になっています。
このうちの一つが「ヒラメ筋」で、直立するときにはたらいています。
ヒラメ筋は主に立ち動作などで強く使用されます。
アキレス腱につながる筋肉なので、
ヒラメ筋を伸ばしたり鍛えるほど立ち作業で疲れにくくなり、
ひざ裏を日常的に伸ばしやすくなります。
結果、こむら返りの軽減や、
朝起き抜けに伸びをして足がつりそうになるのも防げます。
就寝前のヒラメ筋やふくらはぎのストレッチで、こむら返りは随分軽減しますよ。
ひざ裏がピン!と伸びた立ち姿勢は、若く見えるのでより素敵に。
膝裏を伸ばしてこむら返りを予防する!
1.ヒラメ筋+腓腹筋を伸ばす
ヒラメ筋と腓腹筋の両方を刺激できるストレッチメニュー。
シンプルながらも両足の下腿三頭筋を伸ばせる柔軟体操です。
how to
1.ストレッチマットを敷いた上に膝立ちになります
2.両手をマットにつけて、四つん這いの形を作ります
3.膝を浮かせて、足と手でバランスをとります
4.ゆっくりと膝を伸ばしていき、かかとからお尻まで一直線にします
5.ふくらはぎの筋肉が刺激されているのを感じたら止めて、20秒間キープ!
6.ゆっくりと元に戻します
7.足先を内・外側に向けて各1回ずつ行います
目安は20秒×3セット。
筋肉への刺激を感じながらゆっくりと行っていきましょう。
ストレッチのコツ
◆呼吸を安定させて行う
◆20秒かけてヒラメ筋をしっかりとゆっくりと伸ばしていく
◆バランスが取れない時は両手を少し前に置く
◆足先を外・内・中央の3段階に分けて刺激する
◆足のかかとは浮かせない
2.ヒラメ筋をピンポイントに伸ばす
座った状態で取り組めるヒラメ筋の効率よいストレッチメニュー。
誰でも簡単に行える柔軟体操でありながら、ヒラメ筋をピンポイントで刺激できます。
ヒラメ筋を重点的に伸ばしたい方にお勧めです!
how to
1.ストレッチマットの敷いた上に正座で座ります
2.右足を立てます
※背中を丸めないよう注意しましょう
3.ゆっくりと体を前に倒していきます
4.ふくらはぎが伸びているのを感じたら、20秒キープ!
5.軽く足を伸ばし、左足も同様に行います
目安は、左右20秒ずつ。
痛みが出ないギリギリの範囲で伸ばします。
ストレッチのコツ
◆呼吸を安定させて行う
◆痛みが出る場合は軽く足を前に出す
◆かかとを浮かせない
◆お尻を上げるまで前に体重をかけない
このストレッチで抑えるべきポイントは、かかとを浮かせないということ。
かかとは常にマットに付けた状態を維持しましょう。
3.ふくらはぎと足首をを動かす
足首+アキレス腱を動かすストレッチは、こむら返り軽減にはとても効果的です!
「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎをよく動かせることで、
「ミルキングアクション」という血液の循環機能も活発化できます。
下半身に溜まっている血液を心臓に戻りやすくすることで、全身が温まり、
こむら返りを防ぐことができます。
how to1.昇降台や階段など、段差のある場所に立ち、背筋は伸ばして真っ直ぐ。
2.その姿勢を維持したまま、足の指で押し上げるイメージでゆっくりとかかとを上げていきます
3.足の指がぶれないように、今度はゆっくりとかかとを下げます。
ふくらはぎがギューッと伸びるまで目一杯かかとを下に降ろしましょう。
2.⇔3.を10往復、ゆっくり動かしてみましょう。2~3セットがお勧めです。