こんにちは。院長の小澤です。
3週間前の7/1夜、
右肩に突然激痛が走り出し、痛みで嘔吐を繰り返して
一睡もできずに朝を迎える出来事がありました。
翌朝整形外科を受診、
「石灰沈着性鍵盤炎」と診断されました。
施術が3日間できず、
患者様方には大変ご迷惑をおかけいたました。
おかげさまですっかり良くなり、通常運転しております。
整体師になり17年、
体調不良でこんなに大きく仕事に穴をあけたのは
初めてのこと。
健康のありがたさを、痛みなく施術できる尊さを
かみしめることができる一件でした。
こんな貴重な経験を、
芸の肥やしにしないわけにはいきません。
今回は「石灰沈着性鍵盤炎」について、
そして
当院の整体学校の研修生とスタッフ秋山による
「肩痛改善、腕を痛みなく動かせる!」
施術動画を皆様とシェアしたいと思います。
この施術撮影直後はひどくだるかったですが、
撮影翌日、痛みや可動域がかなり改善し、
皆で感動しました!
二人が必死に施術してくれる手の動きに、
自分が日頃行っている施術・仕事の役割を
俯瞰できるいい機会でした。
四十肩の改善施術を得意とするわたくし自身が、
・実際に肩痛を経験し、
・施術方法を弟子たちに伝え、
・私の肩痛もかなり回復する!
というある種必然的な?体験だったのかもしれません。
今まで肩痛で悩んでご来院下さり、
施術させて頂いた皆様に心から言いたい…
「わかります!その痛み!」。
肩の上げ下げや、着替えのお手伝いなど
分かったつもりでやっていましたが、
配慮が足りなかったなと反省し、
これからお目にかかる肩痛の皆様を
痛みのなくなった両腕をガバッと広げて
お待ちしております。
石灰沈着性鍵盤炎とは
患者様皆様から、
「大丈夫なの?」
「もう痛くないの?」
「突然痛くなったの?」
「なんで痛くなるの?」
「またなるの?」
「加齢?」(ひどい…笑)
「お酒が好きな人がなるの?」(なりません)
と心配そうなお顔をされながら
矢継ぎ早に頂くご質問への回答をまとめました。
石灰沈着性鍵盤炎とはどんな病気?
肩の安定性を保つための筋肉である
回旋筋の腱(腱板と呼ばれます)の中に、
カルシウム(石灰)が蓄積してしまい、
肩に痛みが出る病気です。
石灰の沈着は人間の身体の様々な場所で
起きることがありますが、
特に肩の腱板で起きることが最も多く、
石灰沈着性腱板炎と呼ばれます。
石灰の周囲に炎症を起こし、
急激に強い痛みを生じることがあります。
30~60代の年齢に多く発症、
わずかながら女性に多いことが知られています。
また左右では右肩に多いとされます。
発症は急性であることが多く、
特に夜間に多いとされています。
リハビリや内服薬で治療したり、
石灰を注射で破砕したり吸引したりする治療を行ないます。
痛みは数週間で改善することが多いですが、
中には5~10年ほど痛みが続くこともあります。
石灰沈着性鍵盤炎の原因は?
石灰沈着の発生原因は、完全に解明されていません。
腕を挙上する動作を続けると、
腱がすぐ上にある肩峰という骨にぶつかることが頻繁になり、
このことで腱内に軟骨や線維性の変化が起き(変性)、
変性した腱からカルシウム塩が分泌され蓄積されると考えられています。
どんな人が石灰沈着性鍵盤炎になりやすいの?
リスク因子(これが当てはまると石灰沈着性腱炎になりやすい)として
・遺伝(家族の人がなったことがある)
・重いものを持ち上げる仕事をしている
・野球やテニスなどの、手を上に挙げる動作が多いスポーツをしている
・関節リウマチ、腎臓結石、尿路結石、糖尿病、甲状腺異常などの持病がある
などがあります。
石灰沈着性腱板炎はどういう症状が出るの?
肩の前方または後方に痛みを感じ、肩に力が入りにくくなります。
また多くの場合は可動域が制限されます。
特に腕を挙上する際に痛みが出ます。
また、腕の方にも広がる痛みや違和感が生じます。
強い痛みが出ている時期は睡眠の妨げになることもあります。
突然発症することもあれば、徐々に痛みが蓄積していくことがあります。
慢性化すると筋肉の萎縮も生じます。
肩に石灰ができていても痛くないということもある?
あります。
石灰があれば全員に痛みが出るわけではなく、
35%から半数のひとにしか痛みが出ないと報告されています。
石灰沈着性腱板炎は再発する?
沈着した石灰の周囲の炎症が治まったり、
あるいは石灰自体が吸収されたりした場合は、
その後に同じ部位に再発を繰り返すことは
珍しいとされています。
ただし、発症した後に長期に痛みが続いていて
それが強まったり弱まったりすることは多々あるようです。
石灰沈着性腱炎は、肩の病気?身体のいろいろな部位に起きる可能性は?
肩以外の場所にも生じます。
肩に発生することが最も多いのですが、
肩以外の部位としては股関節や膝関節にも多く生じることが知られています
石灰沈着性鍵盤炎のリハビリ・施術
炎症を抑えるためには安静が必要ですが、
固定期間が長くなると肩が動かなくなるため、
早いうちに痛みを和らげた上で、
強い痛みを出さない様に注意しながら動かすリハビリを行います。
早いうちに痛みを和らげるためには、
・胸周り
・脇の下
・肩甲骨
をよく動かすと肩の可動域が広がり、かなり楽になります。
四十肩の患者様への施術やリハビリと同じことを
今回、わたくし自身もしておりますが
いいペースで快方に向かっていますので、
とにかく肩とその関連部位をいかにほぐすかが
大切なようです。
今回、セルフリハビリをしていて、
一番効果を感じるのは「股関節」。
股関節と臀部、骨盤周りがゆるむと、
肩の痛みが軽減し、可動域がグッと広がります。
使っているとまた肩関節は固くなり、多少痛みも出ますが、
上げ下げなどの動作でイタタタタ…ということはなく、
「腕の中が痛い」(筋肉の炎症)です。
石灰沈着性鍵盤炎や四十肩など、
患ったことは大変な出来事ですが、
これを機に、からだのバランスを整え、
自身のからだの動かし方を再度見つめなおす最良のきっかけです!
痛めた部位を一生懸命動かしても、
その痛みでほかの部位(腰など)を痛めることも少なくありません。
是非、全身総動員でのリハビリを!
肩痛が長期化する方が、少なくなりますように…
という願いをこめて、情報発信します。