年齢も主訴も全く異なる三名の女性が、それぞれの症状が改善されはじめた頃から「体重が2㎏落ちた」と嬉しそうにご報告下さいました。

三名それぞれの症状が改善していく過程で共通して緩んだポイントが鍵になります。症状は以下のとおりそれぞれ異なりますが、施術内容・改善過程を追って見ていきましょう。

症例1.
右肩甲骨下のしびれがずっと取れなくて困っている(30代女性)

症例2.
腰痛と右のかかと痛を治したい(40代女性)

症例3.
部活動で痛めて以来、階段の昇降時など曲げると左膝裏が痛む(10代女性)

【症例1】

右肩甲骨下のしびれがずっと取れなくて困っている

患者さんのプロフィール

36歳女性(会社員)。6年前に転職をしてから毎年1月~3月の超繁忙期になると、右肩甲骨下のしびれが取れなくなる。

背もたれなどに背中をつけることすら痛み、憂鬱になる。4月になると自然としびれが治まるがまた翌年1月になるとしびれが出始めることを繰り返していると、そのうち治らなくなるのではないかと心配している。幼少期に先天性股関節脱臼を患っており、O脚。足がむくみやすい。

来院のきっかけ、理由

1.右肩甲骨下のしびれが取れない

パソコンにて作業中(特にマウス使用時)に痛みがひどくなる。背中をつけること自体が痛むので、長時間の座位や横になることが辛い。毎冬の超繁忙期のみの症状で春になると治るが、ここ6年間毎年繰り返している。

2.右股関節に違和感・O脚がひどい・下腹ぽっこり

仰向け時は右足をくの字に広げないと右足がすぐにだるくなる。右足の方がむくみやすい。(特に膝下)O脚を治したいが、内ももがうまく使えずガニ股で歩いてしまう。いつも下腹部が出っ張っているのも長年の悩み。

実際に行った施術

・大きく開いていた右骨盤を調整する。

→右大腿骨周辺と右殿部、右ソケイ部付け根(大腰筋)の筋肉の固さが
骨盤が開く原因の一つと見立てそれぞれ緩める。

・右骨盤が開いていることで固く縮こまっていた右体側全体を伸ばす。

→右脇下に極度のこり、筋緊張あり。

・右肩甲骨と左腰がそれぞれ反対側に比べアンバランスな状態を調整する。

→背中と鎖骨下の筋緊張を特に緩める。

施術の結果

結果、30日に1度、計5回ご来院で「1.右肩甲骨下のしびれが取れない」の症状は全く出なくなる。「2.右股関節に違和感・O脚がひどい・下腹ぽっこり」の程度・頻度ともかなり軽度になる。主な変化は以下の通り。

2回目:

右肩甲骨のしびれは日によって出たり出なかったり。今まで全く気にならなかった左腰が多少痛むことがあった。生理痛がいつもより軽かった。

3回目:

前回施術から3週間は全く右肩甲骨しびれが出なかった!ここ一週間でまた再発した感じ。ヨガでいままで出来なかったポーズが取れるようになり、股関節が動かしやすくなっていることを実感した。

4回目:

右肩甲骨しびれはこの一ヶ月で一度も出なかった。仕事はまだ繁忙期だが、痛みがないことで気持ちが楽。

5回目:

陽気も暖かくなったせいか、右肩甲骨はしびれ・こり共に全く気にならず。ホームで電車を待ちながら、股関節に体重を乗せる練習をするようになり、今までいかに反り腰になっていたかを痛感。ぽっこり下腹がすっきりしてきた!便秘が改善されたのもあってか、体重が-2キロ。

【症例2】

腰痛と右のかかと痛を治したい

患者さんのプロフィール

48歳女性(主婦)。16年前のご出産以降、慢性の腰痛がひどくなる。3~4年前から骨盤が急に開いたなと感じ出したタイミングで、歩行時など足を着地時に右足首に違和感を感じるようになった。以降、右かかとが慢性的に痛むようになる。整形外科を複数受診するも異常なし。

来院のきっかけ、理由

1.慢性の腰痛

痛みが強くなると右腰が特に辛くなり、同時に左大腿骨際も刺すように痛む。

2.右かかと痛

歩行時や、椅子から立ち上がる際に重心をかけるとズキッと痛む。

3.骨盤を閉めたい

3~4年前から急にお尻が大きくなり、骨盤が張った感じがしている。「2.右かかと痛」もこの頃から出始めているように感じているので、骨盤が閉まれば2.右かかと痛も良くなるのではないか?

実際に行った施術

・左股関節の固さと左骨盤の開きを調整する。

→左大腿骨周辺、左ソケイ部付け根(大腰筋)の筋肉の固さが、たまに起きる「左大腿骨の刺すような痛み」に起因していると見立て緩める。

・右腰を中心に右半身全体に見られるこりを伸ばす

→右背中・右脇下ラインを特に緩める。

・右足首から足甲にかけての固さを緩める

→右踵痛は腰のトリガーポイント(※)と同時に右足首の可動域が左に比べて狭いことが起因と見立て緩める。足首付近にあるリンパ節も同時にほぐして、右膝下のむくみを軽減させる。

※トリガーポイントとは?

本来の痛みの場所とは離れた部位で痛みを感じるポイント。神経の走行とは関係のない場所で痛みを感じるため、「神経痛」ではなく「関連痛」と呼ばれる。

「トリガー」というのは文字通り「引き金」という意味で、ピストルの引き金を引くと弾が遠くまで飛ぶように、トリガーポイントを緩めることで本来の痛みが軽減される。腰痛のトリガーポイントの一つが踵からふくらはぎにかけて存在する。

赤い部分→本来痛い部位。×印→トリガーポイント

施術の結果

結果、14日に1度、計4回ご来院で
「1.慢性の腰痛」「2.右かかと痛」の程度・頻度ともかなり軽度になる。「3.骨盤を閉めたい」と思う状況は腰回りがスッキリしてなくなったとのこと。主な変化は以下の通り。

2回目:

初回施術後の晩、バスルームの鏡でからだのライン(骨盤周り)がすっきりしているのに気付きビックリした!右腰の疲労感はあるが、腰痛や左大腿骨際の刺すような痛みは出なかった。右踵痛は変わらずあり。

3回目:

右踵の痛み自体が随分軽減している。生理前はかなり右腰痛があったが、言われてみれば普段はあまり気にならなくなっている。

4回目:

右太ももと右股関節が以前よりも良く使えているなと感じると同時に、右踵痛は出なくなる。右腰はたまにだるくななるが、左大腿骨際と共に痛みは出ていない。

ウエスト周りがかなりスッキリし、以前きつかったパンツやスカートがはけるように!体重を計測したら-2キロ。

【症例3】

部活動で痛めて以来、階段の昇降時など曲げると左膝裏が痛む

患者さんのプロフィール

16歳女性(高校生)。空手歴10年。

半年前、空手部練習中に違う方向に左膝を向けてしまう怪我をした。レントゲン撮影など検査したが異常は見られず。リハビリもしばらくしていたが、以降何となく違和感あり。

来院のきっかけ、理由

1.左膝痛

特に膝裏が痛む。階段昇降時が一番気になる。

2.下半身が上半身に比べて大きいのが気になる

初潮後一年で一気に体重が増え、その辺りから急に下半身が全体的に大きくなった感じ。デニムのパンツなど、お尻まわりでつっかかりがあってサイズがうまく合わないのが悩み。

実際に行った施術

・からだの冷えを取る

→リフレクソロジー施術を入れ、特に冷えている膝から下を緩める。(左足の押圧痛が大きかった)

・左股関節の固さと左骨盤の開きを調整する。

→左骨盤が開いていることで、左膝も外へ向いていることが左膝痛の起因と見立て調整する。

・右腰から右肩甲骨の筋緊張を緩める

→右腰(大腰筋)から右肩甲骨内縁、右胸まわりのこりが目立った。右腰と左股関節のこりがそれぞれの反対側部位よりもかなり強かったので左右バランスを整える。

施術の結果

結果、45日に1度、計3回ご来院で「1.左膝痛」はなくなる。「2.下半身が上半身に比べて大きいのが気になる」と思う状況は腰回りがスッキリしてなくなったとのこと。主な変化は以下の通り。

2回目:

スクワットのような体勢になるポーズで型を決めると左膝がまだ痛む。階段昇降時は痛まなくなった。

3回目:

左膝は全く痛まず。右肩甲骨が起き抜けにたまに痛むことがあったが、動いているうちに忘れてしまう。(右肩甲骨付近の筋違えを以前は頻繁に起こしていたが、最近全くない)お母様やご友人に「痩せたね」と言われるようになり、体重を測ったら2キロ減っていた。腰回りが張らなくなったのと、太ももが細くなったので、以前より洋服を選びやすくなりとても嬉しい!

院長からのコメント

全く症状は異なる三人が共通して体重が減った理由は、三人の症状を改善させるために共通して施術した部位にあります。

共通した部位は「大腰筋」「腸骨筋」です。

大腰筋は背骨と両足の付け根を結ぶ筋肉で、腸骨筋は骨盤と脚の付け根を結ぶ筋肉です。背骨と太ももの大腿骨をつなぎ骨盤を前傾させて正しい位置に保つ役割と、股関節を屈曲させて太ももを引き上げたり、背骨の自然なS字湾曲を保ち、お尻の筋肉を引き上げる役割をもっています。

骨盤表面を走る腸骨筋と深部の筋肉である大腰筋がお互いに活動すると、骨盤がしっかり立ち、腰椎がお腹側にギュッと引かれて湾曲し、ウエストからヒップにかけてのくびれが目立つようになります。

とくに大腰筋は腰椎と骨盤を正しい位置に保つ働きをし背骨に沿って走る神経や、脂肪細胞を刺激・分解する交感神経とも密接な関係にあります。

体の深層部の筋肉、インナーマッスルと言われる大腰筋を使えることで、お腹まわりやウェストラインをスッキリ保つことができるのです。

画像参照:http://diet-hg.com/daiyoukin/onakayase.html

向かって左側の骨盤が前傾して立っている状態が正しい位置になります。大腰筋と腸骨筋がしっかりと働いて、背骨や骨盤を引っ張っていますね。

向かって右側は大腰筋と腸骨筋が寝てしまっています。ピンと張ることができない状態=衰えてしまうことによって、背骨が弯曲し、骨盤は後方に傾いてしまっています。

このような状態になると・・・

①背骨が弯曲することで交感神経の働きが鈍るので、脂肪分解が促進されなくなってしまいます。また、血行不良、むくみ、冷え症、便秘などにもなりやすくなります。

②姿勢維持ができなくなるので猫背気味になり腰や背骨に負担がかかり、骨盤がゆがんで腰痛や肩こりなどの要因になります。

③大腰筋で支えきれなくなった内臓が下垂するため、ぽっこりとお腹が出た状態になります。

先程の3つの症例は、それぞれの症状を改善するために大腰筋と腸腰筋を入念に施術しました。

症状こそ違いましたが、三人に共通したことは「骨盤の開き・歪み」があったこと。骨盤が調整され、からだのバランスが取れた状態で日々過ごせるようになった結果、大腰筋と腸腰筋を自然と使えるようになったと推察します。

骨盤がしっかり前傾する姿勢が保てるようになり、
・交感神経の働きが促されて脂肪分解が促進された
・内臓がしっかり支えられるようになってウエスト周りがスッキリ
・便秘が解消
といったことが体重-2キロにつながったのでしょう。

骨盤調整が大腰筋を鍛えるポイント!

大腰筋に代表されるインナーマッスルは激しい運動をしなくても日常生活の中で鍛えることができます。普段の生活の中で正しい姿勢で過ごすだけでも十分に、そして気軽に鍛えることができる筋肉です。

大腰筋を鍛えるにあたり、先ずは骨盤のバランスを調整しましょう。前後左右に歪んだ骨盤をきちんとリセットしたら、

・背筋を伸ばして歩く
・少し歩幅を広めに取り、下腹部を意識する

すると、大腰筋や腸骨筋が収縮して骨盤が正しく前傾する姿勢を自然に保てるようになってきます。そして、腰椎がお腹側に引っ張られることでお腹がキュッと締まってきます。大腰筋は内臓のすぐ表面を走っているので、内臓の位置をしっかり保ちつつ、からだの内側からのたるみを支えてくれます。これにより、内臓も活発に動いて不調や体重増加を防ぐことができるのです。

からだの外側と内側の両面から快適にそして美しく!女性も男性もヒトも犬も、おからだのバランスチェックや骨盤調整を随時承っております。