平らでキュッとくびれのあるウエストは、女性の憧れですよね。
春になり、薄着になってくるきょうび「そんなに太ったわけではないのに、いつの間にかポッコリ寸胴体型になってしまっている!」と悩む女性も多いのではないでしょうか。寸胴体型は遺伝のせいだし…と諦めていませんか?
たしかに体脂肪が付きやすい部分については、遺伝的な要素も大きいと言われていますが、体型は今から変えられるもの。
がむしゃらに腹筋運動をする前に、なぜウエストがくびれるのかを知ってみませんか?
メカニズムがわかれば、日常の意識を少し変えるだけで理想のウエストに。
今回は、ウエストのくびれを作る要素、くびれの左右差ができる理由、くびれ発掘エクササイズをご紹介します。
くびれをつくる3つの要素
1.肋骨(ろっこつ)
肋骨は両側に12本ずつ計24本あります。肺や肝臓など胸の周りにある内臓を取り囲んで守っている大切な骨です。
呼吸をすることで肋骨は広がったり閉じたりしていますが、悪姿勢で浅い呼吸を続けていると、肋骨は柔軟性に乏しくなってしまいます。
下のイラストのように、肋骨が開いたままの状態になるとウエストがくびれにくく、寸胴体型に見えてしまいます。
2.腹横筋(ふくおうきん)
腹横筋は、お腹の一番内側を横向きに走っている筋肉です。みぞおちから恥骨までの広い範囲を、帯のようにぐるりと巻いています。その役割は、上部・中部・下部で異なります。
上部:みぞおちから肋骨の一番下までを覆っている部分です。この下には胃や横行結腸(おうこうけっちょう)があるため、 締めつけると便秘の原因になることも。横隔膜の動きにも影響するので、この部分が緊張して柔軟性が失われると呼吸が浅くなり、代謝も落ちてしまいます。
中部:肋骨にも骨盤にも付着しない部分です。この部分が緊張すると内臓を圧迫するだけでなく、反り腰になりやすいので、その結果下腹が緩み出っ張ります。ほどよく緊張と弛緩(しかん:ゆるませる)を繰り返せるのが理想的です。
下部:骨盤にくっついている部分です。しっかり引き締まっていると骨盤が安定します。また深い呼吸に伴って動くと、冷えやむくみの解消に効果があります。
3.骨盤(骨盤底筋群)
骨盤の下にあり、内臓を下から支えている骨盤底筋群は、ハンモック状の筋肉で、緩んでくるとぽっこりお腹の原因にもなります。
腹横筋がウエストのくびれを作り出していますが、腹横筋を効率よく働かせるための土台である骨盤をしっかりさせておくことも大切です。骨盤底筋群を引き上げることで姿勢が正され、美しいウエストラインが出来上がるのです。
ウェストが出来にくい人の共通点
・肋骨と骨盤(腸骨)のスペース
肋骨と骨盤(腸骨)の間、骨の当たらない部分がウエストです。肋骨と骨盤のスペースに指4本程度入るのが理想です。それ以下の場合は肋骨が下がってきて、ウエストのくびれが崩れてきている可能性があります。
・骨格的遺伝
遺伝的に身体の厚みが薄い、肋骨と骨盤とのスペースが広い人はウエストのくびれがわかりやすい人です。一生懸命努力をしてもあまりくびれが見られない人は、遺伝的に身体が円柱型で、肋骨と骨盤の距離が狭い場合が多くみられます。
また、バストやヒップのサイズによっても「キレイな曲線くびれ」であるかどうかの見え方も違ってきます。1995年、ワコール人間科学研究所では【ゴールデンカノン】、“バランスの美”を提唱しています。
くびれの左右差ができる2つの理由
1.骨盤の高低差
ウエストのくびれ方が左右で違うなぁ…と感じているなら、骨盤の左右で高さに差があるかもしれません。左右差によって硬くなった筋肉を伸ばしていくと、ウエストやお尻もすっきりします。
骨盤が高い側がくびれが大きくなり、腰が痛むことも多いです。発端はお尻の外側にある「中殿筋」が弱くなることにあります。
中殿筋は脚の付け根=股関節を開く働きをし、立ち方やスポーツの影響などで緩みやすい筋肉です。股関節を開き、立っている状態では骨盤を地面方向に引っ張るようにも働きます。中殿筋が弱ると地面方向に引っ張る力が弱くなり、骨盤が上に持ち上がってしまいます。すると、腰方形筋が固くなり、くびれに左右差が出るのです。
骨盤の高さの差による影響は、くびれだけにとどまらず、ひざや足首にまで及びます。骨盤の片側が上がると、同じ側の股関節はその分閉じ気味に。すると内ももの内転筋が引っ張られ、ひざは外側に向き、片脚だけO脚がひどくなります。
O脚側の足裏は、外側で重心をとるようになるから真っすぐ立てず、足をくじきやすくなります。
一方、反対側の足は内側に重心がかかって土踏まずがつぶれ、扁平足や外反母趾になりやすい・・・左右差は全身に影響します。
2.肋骨の左右差
ウェストのくびれが左右で異なるもう一つの理由は、片側の肋骨だけが大きく開いているケース。
肋骨が大きく開く理由は、腹筋の一つである「外腹斜筋(がいふくしゃきん」が弱くなることが考えられます。
外腹斜筋の下に内腹斜筋、さらにその下に先程登場した腹横筋があります。これらはくびれを作る上でキーポイントになる筋肉です。
外腹斜筋は、お腹の外側から内側に斜めに走っている筋肉で、肋骨を内側に引き寄せ、その奥にある内臓を守るという役目も担っています。
外腹斜筋の肋骨を引き寄せる力が弱いと、正面から見てもわかるくらいに肋骨が上に持ち上がってしまいます。
すると、肋骨が開いている方へからだをひねったときに、ひねりを止める力が足りず、腰が回りすぎてしまいます。この動きが左右のくびれの違いをつくっているのです。
肋骨は本来、体の中心から左右それぞれ35~45度ほどの角度で開いているのが標準です。ところが外腹斜筋が弱いと肋骨が上がってしまい、50度以上になることがあります。
肋骨の一番下のラインを指でたどって鏡に映すと、左右差のある人は手の高さにずれができるはず。
こうした人は、肋骨が開いている方へ体をひねると体を大きくひねりやすく、ウェストもこちら側の方がくびれます。ただ、ひねることで背骨の下の方の腰椎に痛みが起こるケーズも多いです。左右均等な角度、くびれをつくりたいですね。
当院ではバランスのよい姿勢づくりをお手伝いしています。
くびれが出にくい理由は、普段の姿勢にもあります。
わたしたちのからだは、本来最大限上に伸びた状態になるようできています。したがって、姿勢が悪くなることで胴体を縮める方向に向きますので、縮まった胴体は、贅肉などがついていなくても胴回りを太くし、くびれのカーブを少なく見せるのです。
特に、ストレート姿勢(ストレートネック、ストレートバック)は腹直筋を縮める姿勢のため、くびれが極端になくなりやすく、寸胴になってしまいます。
逆に、背骨のカーブが強すぎる反り腰・鳩胸の姿勢では、くびれは減らないものの、下腹部にかけて前後の厚みが出てしまい、横から見るとおなかがぽっこりと出る感じになります。
バランスの取れた姿勢ほど、おなか周りは自然に引き締まった状態、きれいなくびれが出ます。本来、人体はそういう構造になっていて、からだにとってもそれが一番自重を支えやすい状態です。
「どのポジションが一番楽に動け、からだが心地よいか」をご自身のおからだと当院にて対話してみませんか?わたしたちが仲介役となり、からだのしくみと気持ちを代弁する施術がとても好評です。