院長のブログ

じんましんと更年期障害 ~陰陽のバランスを大切に~

こんにちは。院長の小澤です。

年明け、肝機能と甲状腺異常を調べるために、久々血液検査を受けました。

大きな異常なく一安心でした。

検査を受けるきっかけになった

「夜になるとじんましんが出る」

という症状も随分軽くなってきました。

7割は原因不明といわれるじんましん症状。

痒み止めを処方されて経過観察・・・という流れが多い中、

西洋医学(免疫学)の知識・視点に基づき、

自己治癒力を導く東洋医学的診療をされる高橋秀実先生は
https://www.kanpo-meneki-takahashi-naika-clinic.com/

肝機能と甲状腺機能の異常ない検査結果をご覧になり、その後舌診や細かな問診

□最近ものが見えにくくなっていませんか?
□足はつりませんか?
□眠りは浅くありませんか?
□便秘ですか?
□手足が極端に冷えていませんか?
□喉が渇きませんか?
□怒りっぽくなっていませんか?
□口内炎がよくできませんか?

をされた後、

更年期障害の症状の一つでしょう

と穏やかにおっしゃいました。

東洋医学的に、更年期障害は「肝」の異常や血の汚れ、循環が悪くなることと関係していると捉えます。

 

東洋医学でいう「肝」とは

「肝」は西洋医学の肝臓の他、血流量の調節や自律神経の働き、運動神経、視覚機能を含みます。

・からだの栄養元である「血」を蓄え、体内の血量を調整します
・「気」「血」のめぐりをよくし、自律神経を安定させます
・運動神経である関節や筋や筋肉に栄養を送りスムーズに動けるからだにします

肝の働きが弱まると、

イライラ
怒りっぽい
憂鬱などの精神不安
偏頭痛
ストレス性の胃腸障害
生理不順
筋肉のけいれんや四肢のしびれ
目のつかれや乾燥

が起こりやすくなります。

更年期障害の症状としてよくみられる

冷え・のぼせ、突然の発汗、動悸、イライラなどの症状は

「肝」の不具合により起きる「気逆きぎゃく」(「気」の流れが逆行する症状)、

また、「けつ」が不足している「血虚けっきょ」や

けつ」が巡らず滞っている「瘀血おけつ」をから引き起こされると考えます。

先の検査結果の通り、わたくしの場合は

肝機能や黄体形成ホルモン・卵胞刺激ホルモンなど異常がありませんでしたので、

「血」の巡りを良くし、血の道症ちのみちしょう*1によく使われる漢方方剤

桂枝茯苓丸加加薏苡仁けいしぶくりょうかよくいにん

と、黄疸やじんましん改善に使われる漢方方剤をもう一種類処方して頂き、

随分改善に向かっています。

(*1月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指す)

たまにじんましんが出る時は、寝不足時、生理・排卵前と決まっており、症状も軽度です

症状の改善やパターンもつかめ、高橋先生には心から感謝しております。

更年期障害でお悩みの方は当院にも多くご来院され、

施術の他、少しの知識でもお役に立てればと思い、今回の記事を書いています。

更年期障害の一種でじんましんが出ることを、今回身を以て初めて知りました。

年齢を重ねる通過点として避けては通れませんが、

「治そう!」ではなく「変化を受け入れ、うまくしのごう!」と思うと少し気分も楽になります。

わたくしの場合は、睡眠不足がてきめんにじんましんを引き起こしますので、

睡眠時間の確保が命題です。

起きている時間=「陽」の時間

寝ている時間=「陰」の時間

この「陰」と「陽」のバランスを整えるだけで、じんましんが出ないということを考えると、

更年期障害を上手にしのぐには、日常生活の「陰」「陽」バランスを改めて見直すことが

手っ取り早く、簡単な方法なのかなと感じています。

シンプルなものほど奥深いのですが、以下ご参考までに。

 

からだの変化を受け入れることを軸とした、自分でできる解決策

※参考文献 『読体術』仙頭正四郎著

1.睡眠を充分とること

からだや心を鎮める「陰」を増やすことができます。

夜はスマホやテレビを見ず、照明は暗めに。

睡眠前は短い時間でいいですから、ゆったりとした気分で過ごせるようにしましょう。

今日一日にあった「いいこと」を3つ思い浮かべます。

そして、日中は、短時間でも屋外でのびのびとからだを動かし、

「陽」の時間を増やしましょう。

こうして、昼と夜の「陰陽」のメリハリをつけることが一番です。

更年期はからだの変化の過程ですから、その波に逆らわず受け入れることが大切。

からだの機能は衰退しているのですから、食事量や、仕事や家事などの

義務的な活動はスローダウンさせ、一日単位の休息や長期的視点の休暇を

念頭に置き、睡眠時間は多めにとるように心がけます。

全体的にスローペースを目標とし、からだのどこかにガタがきているぐらいに考えて、

体調に対して過度に神経を使わないことがいいでしょう。

 

2.生活を単調にしない

生活を単調にしないために、旅行、新しい趣味、新しい生活パターンなど、

変化を持たせて無理せず楽しむ姿勢をもちましょう。

特に女性の更年期には「夜」をゆったり楽しむ、

男性の更年期には「昼」を活動的に楽しむことが改善のポイントになります。

家事分担などの役割交替で、変化をつくるのも一案です。

 

3.余計な仕事や心配事を背負い込まない

更年期障害に影響を及ぼす「肝」や「腎」のはたらきを豊かにする生活の工夫としては、

特に「腎」を過剰にはたらかせる恐怖の気持ちや、

余計な仕事を背負い込まないことです。

過労や頑張る気持ちも、「腎」の潤いを過度に消耗するので、

人に任せられることは任せる工夫と勇気を持つことです。

嫌なことや心配事は直面してから考えるようにして、楽しいことは先取りします。

太陽が地面を温めて活性化させるように、喜びの感情は「心」のはたらきを育て、

豊かにし、潤滑にするからです。

一日の終わりに、楽しかったことや嬉しかったことを最低3つは思い出して休むようにします。

 

 

 

 

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