患者さんのプロフィール
34歳女性(専業主婦)。第二子を2ヶ月前に自然分娩にてご出産。安産。
妊娠後期に腰痛になり、第二子出産後の現在も痛みが続いている。(3年前の第一子ご懐妊・ご出産時は腰痛はなかった)
完全母乳で育てており、体重はほぼ産前と同じ状態に戻っている。産前には全くこりや痛みを感じず、整体やマッサージの類は受けたことが一度もない。
来院のきっかけ、理由
1.腰痛
妊娠8ヶ月以降、ずっと続いている。
仰向けに寝た状態からそのまま起き上がれず、いつもゆっくりと横を向き、しばらくそのままの状態でじっとしてから少しずつからだを起こしてようやく起き上がれる感じ。
第一子(3歳)を抱っこする機会も多い。
2.骨盤の開きを感じる
体重は妊娠前の数字に戻っているのに、その時に履いていたジーンズが全く入らなくなってしまった。
3.日によって左膝が痛む
原因は分からないが、たまに朝からずっと膝が痛い日もある。
大学生時、海外旅行で歩きすぎて膝が痛んだことがあったが、程なく治まる。今回の痛みもその時のものに似ている気もするが、現在はそんなに歩いていない。
当院の見立て
「1.腰痛」「2.骨盤の開きを感じる」「3.日によって左膝が痛む」」のすべての症状が、骨盤の大きな開きが引き金になっていると見立てる。
「3.」の左膝が痛む症状は、左骨盤がより大きく開いていることで膝頭が外を向いてしまっており、ご長男(3歳)を抱っこして歩くことで膝により負担がかかっているのではないか。
実際に行った施術
・大きく開いた左骨盤を整えるため「右背中下部から腰部」「左股関節」「左殿部」「左大腿骨周り」を入念にゆるめる。
・上半身は左側のこりが大きい状態、特に固くなっている左肩甲骨周辺の筋肉をほぐす。
・授乳による両肩が内側に入り、背中上部がやや丸くなっている姿勢を整えるため両側の脇下から腰骨までを、横向きの状態で十分に伸ばす。
・左ふくらはぎが固くなっており、右ふくらはぎよりも太いことから、左膝裏や左脚の外側(坐骨神経が通るライン)を十分にゆるめる。
左ふくらはぎの固さを緩めることで、左膝の可動域を広くして「3.日によって左膝が痛む」の症状を緩和させる。
・産後の特徴の一つである恥骨結合部の固さを十分に緩め、股関節の開きを調整することでからだ全体のバランスを整える。
施術の結果
結果、30日に1度、計3回ご来院で、すべての症状はなくなった。
主な変化は以下の通り。
・2回目:大腿骨でひっかかってはけなかったジーンズがすべてはけるようになる。朝の起き抜けも痛みなくスッと起き上がれる。
・3回目:左膝の痛みが全く出ず。改めて姿見鏡で自分のからだを見て、高校生時からずっと気になっていたO脚が随分良くなっていることに気付きとてもうれしくなる。
抱っこの頻度によっては首や肩がこるので、引き続きO脚矯正を兼ねて施術を受けようと決める。
まとめ
・左骨盤が大きく開いていることで左膝頭が外に向いた状態となり、その状態のままおからだを使い続けたことで左膝に痛みが出た。
膝自体に問題はなく、膝裏の筋肉の固さや左ふくらはぎ、左左脚の外側(坐骨神経が通るライン)を十分にゆるめることで症状がなくなった。
・妊娠後期のお子さんの成長が著しくなる時期から、恥骨結合部が離開することで腰痛が出た。
腹部に力が入りにくいことから固くなる股関節を緩め、開いた左骨盤を整えることで、腰と股関節の連動が取れ腰痛症状が出なくなった。
・妊娠~出産で緩んだ骨盤が固くなる前に骨盤及びからだの調整を行えたことで、産前よりも骨盤が締まり、O脚が改善した。
院長からのコメント
産後約6週間くらいで緩んだ靭帯が硬くなり、元の骨盤の状態に戻るのに3~4カ月くらいかかります。
よって産後の骨盤矯正は産後2カ月~6ヶ月に受けることが理想ですが、子育てされている状況によっては時間が取れないことも多々あります。
先ずは産後6週産後~約6週間くらいまでは、骨盤ベルトで骨盤を締めましょう。骨盤ベルトはフィットしてすべりにくいものがお勧めです。
おすすめの骨盤ベルトはこちら。
骨盤ベルトを着ける位置は、骨盤上ではなくお尻に巻く感じです。
骨盤上に着けると骨盤下側が広がってしまい、恥骨結合が余計広がったり、お尻が大きくなります。
キツメのズボンも要注意です。ウエストが締め付けられるとお尻が広がります。
理想的と言われる産後2カ月~6ヶ月に調整する時よりは改善に時間がかかりますが、産後時間が経過している場合も、骨盤調整は可能です。ご相談下さい。
今回の施術例は理想的な時期にで産後の骨盤矯正をされたことで痛みの症状が早く改善出来ました。
その後月一度の施術を6回続けられ、現在はO脚はほぼなくなり、スラリとした美脚を保たれています。
何より、動きの激しい男の子お二人を抱えた日々の生活を痛みなく過ごされていることが一番のメンテナンス効果です。