女性の9割近くが「生理痛」と呼ばれる月経期間の不快を経験していると言われています。
その不快はどのようにして起こるのか?
生理のしくみや生理痛の種類や傾向を改めて知ることで、痛みやだるさによってメンタル的に振り回されることが軽減することも多いようです。セルフケア方法も含め、ご紹介していきます。
1.生理痛とは?
月経に発生する様々な痛みや不快感を指します。
最も多い症状としては腹痛、頭痛、腰痛が挙げられます。痛みの他にも吐き気や寒気、めまい、手の痺れなどが起きたり、倦怠感やイライラしたりすることが多くなります。ボーっとする、体がだるい、眠くてしかたがない、などの症状が併発することも多いです。
2.生理の仕組み
女性のからだでは妊娠する準備が「ほぼ月周期」で行われています。はじめの準備として、子宮内膜(しきゅうないまく)が一定期間の間に厚くなります。
その後、1ケ月に1回排卵が起こります。排卵時に受精して着床すると妊娠します。しかし着床しない場合は体は分厚くなった子宮内膜を不必要として、血液と一緒に外に排出します。その排出作業が月経(生理)です。
排出する時に子宮内膜が剥がれることで、炎症を起こし起こる痛みが生理痛ですが、その痛みの度合いによって、生理痛の違いがでます。
イライラしたり気分が悪くなったりするなど、症状が腹痛や腰痛だけで終わらないのは、その炎症から自律神経が乱れるためです。
3.東洋医学的に見る生理痛の種類
ひとえに生理痛といっても、個人によってその症状や痛みの程度などは異なり、それと同じように生理痛の原因もそれぞれ違ったものになってきます。
その原因によって改善方法も変わってくるので、ご自身がどのタイプか知っておくことがとても役立ちます。
・気滞血淤(きたいけつお)タイプ
気(き)が滞り血液が鮮度を失っていることで起きる症状です。生理痛に限らず、体のいたるところで起きます。
・ストレスを感じて、イライラしたり落ち込んでいる事が多い人
・生理初期に痛みがある
・レバー状の塊が出る
・不眠や過食傾向がある
上記に多く当てはまる場合は気滞血淤タイプです。
【痛みの軽減法】
柑橘類を積極的にとり、エビや鶏肉など気を補う食べ物を取り入れていくといいでしょう。またアロマやハーブティなどリラックスできるものを取り入れていくのもお勧めです。
・陽虚内寒(ようきょないかん)タイプ
温かい状態を「陽」、寒い状態を「陰」としています。
正常な体温を保っているのは「陽」のはたらきで、
・寒がりで手足がいつも冷たい
・下半身が冷えやすい
といった症状を、陽が足りない=「陽虚(ようきょ)」といいます。
陽虚内寒証は、「陽気が不足して内側に寒が生じた」動きをしています。
・手足が冷えて腰がだるい
・生理後に痛みがある
・経血量が少ない
などの症状がある人は陽虚内寒タイプになります。
【痛みの軽減法】
冷え症の人なので、体を温めるようにすると変わってきます。食べ物は生姜やトウガラシ、香草など体を温めるものを使ったレシピ、サバやイワシなどの魚もお勧めです。
・湿熱下注(しつねつかちゅう)タイプ
湿熱とは過剰な湿(水・脂)と熱が身体に溜まった状態です。下注の「下」はからだ下部をさします。
湿熱がからだの下部に流注して生じる様々な症候で、
・尿量が少なく色が濃い
・身体が重だるい
・時々発熱する
などが共通していることから、生理の時だけでなくずっと下腹部に痛みがあり、生理前に痛みが大きくなってしまう人が湿熱下注タイプです。
【痛みの軽減法】
体に熱がこもることで体の不調が起こるので、体にこもった熱を外に出すようにする必要があります。根菜類やキュウリ、アサリ、玄米、海藻類などを食事に取り入れてみるといいでしょう。下半身を重点的においたストレッチも効果があります。
・気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ
気血両虚とは、気(陽)と血(陰)の両方が不足し、体弱な人を指します。
気の不足(気虚)は
・疲れやすい
・少しの運動で息切れがする
・胸苦しい感じがして胃下垂や慢性胃炎などの症状が起こしやすい
血の不足は(血虚)は
・疲れやすい
・息切れ
・鳥目
・めまい
などを引き起こします。
以上のことから、
・生理後に特に下腹部に症状が現れる
・顔色が悪いと言われる
・食欲不振になりがち
・経血の量が少なめ
これらの症状を持つ人が気血両虚タイプになります。
【痛みの軽減法】
レバーや黒豆、小松菜などカルシウムやマグネシウムの豊富な食べ物を取り入れてみましょう。アロマやハーブティなどリラックスできるものを取り入れていくとさらに効果的です。
・肝腎陰虚(かんじんいんきょ)タイプ
肝は血を貯蔵し、腎は精を貯蔵する働きがあり、精と血は互いを生み出す材料となります。肝と腎はともに大切な臓器であり、両者は密接な関係をもちます。
したがって、腎陰(精)不足は必然的に肝陰不足をもたらし、肝陰不足も腎陰(精)不足を引き起こします。
・慢性消耗性疾患
・過度のストレスの持続
などでは、しばしば肝と腎の陰虚が同時に出現します。
肝腎陰虚は
・自律神経失調症
・高血圧症
・更年期障害
などに多くみられます。
以上のことから、
・生理の前から下腹部に症状がある
・経血量が少なく色が薄い
症状をお持ちの方は肝腎陰虚タイプです。のぼせや耳鳴りの症状がでることもあります。
【痛みの軽減法】
体の弱い人に見らえるので、レバーやホウレンソウなどを取り入れるといいでしょう。体力をつけるようにすると改善されます。
4.生理痛改善に効果的なセルフケア
①ツボ押しで生理痛軽減
生理痛緩和に効果的な6つのツボをご紹介します。
【三陰交(さんいんこう)】
生理痛・生理不順・不正出血・不妊などの女性の悩みや、腰痛・冷えなどに良いとされるツボです。
位置:内くるぶしから指4本分上の、骨と筋肉の境目にあります。押し方:両手の親指を重ねて深く押します。ゆっくりと力を入れて5秒くらい押して、5秒くらいかけてゆっくり離します。10回程度繰り返します。
【血海(けっかい)】
多くの血液が集まる場所です。
この部分を刺激する事で、血の流れが良くなります。ホルモンバランスを整えることで生理痛・生理不順・腰痛・下腹部痛に効果的とされており、生理痛、冷えによる体のコリやイライラ感なども緩和します。
女性にとても大切なツボとされています。
位置:膝の内側の、足を伸ばした時にへこむ所から指3本上にあります。
押し方:両手の親指を重ね、少し痛いくらいの強さで3秒程押します。“3秒押して離す”を3分程度繰り返します。
【気海(きかい)】
体をめぐる気が集まる場所で、元気の源といわれるツボです。生理痛や生理不順、下腹部痛、腰痛、貧血などの緩和に良いとされるツボです。
位置:おへそから指2本分下にあります。
押し方:爪を立てず、両手の人差し指と中指を重ねてあてて、ゆっくり優しく力を入れていき5秒くらい押して、5秒くらいかけてゆっくり離します。10回程度繰り返します。
【関元(かんげん)】
全身の調子を整えるとされるツボです。腰痛・下腹部痛や体の冷えなどに有効で、生理痛や生理不順、子宮筋腫の予防などにも効果的とされています。
位置:気海のさらに下、おへその真下から指4本分下にあります。
押し方:両指の人差し指・中指を2本そろえて、指の腹でゆっくり優しく押します。押して緩める、を2分程度繰り返します。
【足三里(あしさんり)】
胃痛・胃もたれなど胃の働きを良くする作用があります。胃痛のほかに、腹痛・むくみ・食欲不振・下痢などの改善にも効果的です。
位置:ひざのお皿の下のくぼみから、指4本分下に下がった部分の少し外側にあります。
押し方:親指を足三里にあて、残りの指をふくらはぎに添えて、少し強めに2~3分押し揉みします。
【腎兪(じんゆ)】
生理不順・特に腰痛に良いとされるツボです。腹部の痛み・慢性的な腰痛・体の冷え・むくみなどにも効果的といわれています。
位置:一番細いウエストの高さの背骨から、左右それぞれ指2本分外側にあります。押し方:親指をツボに置き、腰に手を添えます。押しながら、ゆっくりまわすように刺激します。ここをカイロや湯たんぽなどで温めるのもおすすめです。
2.スクワットで生理痛改善
生理痛の改善は、下半身を鍛える運動を取り入れることで改効果が出ると言われています。婦人科系の病気を改善するのにも下半身の運動を取り入れる医院が多いようです。
下半身の筋力を鍛えることで、子宮の細胞を活発することができます。血流をあげて子宮の状態を整えます。そうすることで生理痛を改善することができます。
下半身を鍛えるのに色々なトレーニングがありますが、最も単純で下半身を鍛える事ができるのが『スクワット』です。
まず足を肩幅に合わせてリラックス状態で立ちます。両手は頭の後ろに組むのが一番ですが、最初はダランと下ろしておいてもいいでしょう。
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上半身は動かさないで、息を吸いながら腰から下げるようにして膝を曲げます。この時にお尻が後ろに行かないように注意しましょう。腰に負担がかかります。
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太ももと床が平行になるくらいまで落として、そのまま数秒キープします。その後、息を吐きながらゆっくりと元に戻します。無理なく数回から始めましょう。気付くとお尻の位置が上がって形が整うのも魅力的です。
生理痛に悩む方へ・・・当院でケアしませんか?
O(オー)脚の改善や腰痛緩和で当院を定期的にご利用下さる女性から、
「最近、生理痛がほとんどないのですが、整体と関係ありますか?」
「生理不順だったのが、ピッタリ周期通りに来るようになって楽になりました」
というお話をよく伺います。
生理痛の大きな原因の一つに骨盤のゆがみがあります。
骨盤のゆがみがあることで子宮が正常の位置になく、血流が悪くなります。血流が悪くなることによって、子宮の機能の低下や経血が多くなり生理痛がひどくなると言われています。
生理痛を体感している女性ならではの視点での骨盤調整は、施術者がすべて女性の当院ならではです。内臓に異常なく生理痛にお悩みの方、是非お声をおかけください!